酒船石遺跡は『日本書紀』斉明天皇2年に記載のある「宮の東の山の石垣」にあたる遺跡である。平成12年に行った発掘調査で、亀形石造物を中心とした導水施設をはじめ石敷・石垣・石段が発見された。湧水施設から流れ出た水は木樋を伝わって小判形石造物の水槽に溜まり、さらに小穴から流れ出た少量の水が亀の鼻に入り、背中の水槽に留まる構造になっている。これらの遺構は谷底の深い場所にあり、周囲を石垣や石敷で閉ざされた空間であることや、水の流れを見て楽しむ構造でないことから、天皇祭祀にかかわる場所であったと推定される。

現地案内パネルより。