京都府指定天然記念物
昭和六二年四月十五日
綴喜郡井手町東垣内

 曹洞宗地蔵院は、明治十六年の綴喜郡寺院明細帳によると、創立は不詳としながらも、もと南都東大寺華厳宗の旧跡也とし、寛永五年(一六二八)に、関東天王院至心孝察和尚が、同じく千葉県東長寺物外麟應和尚を、当院の開祖として勧請し、禅宗(曹洞宗)に改められたことが記されています。又貞享元年(一六八四)の雍州府志によると、本尊地蔵菩薩は、井手左大臣橘諸兄公(六八四~七五七)の持仏であったと伝えられています。
 現在のシダレザクラは、享保十二年(一七二七)に植樹されました。昭和二十二年に枯死した円山公園の初代のシダレザクラは当院の先代の親桜から株分けしたもので、母樹を同じくする古木であります。幹周二m四〇cm余、樹高約十m、地上約一mの部分で南へ支幹が分岐し、さらに、主幹は二分して東側の一支幹はほぼ水平に南方へのびだしています。京都百景にふさわしく、木津川の流れを遠望出来る景勝の地であり、小鳥のさえずるなかで、遠くには、生駒、信貴、葛城、金剛の連峰を望むことが出来ます。南山城地域で、他に例のないシダレザクラは、その優雅さに魅せられて訪れる人々の心をなごませてくれます。
     玉峰山 地蔵院