登場人物・その他
琵琶湖の西岸坂本に日吉大社がある。
この地で中世能舞台遺構を調査していた京都百万遍大学・文学部岡田教授は奇妙な獣面を発掘した。この獣面と、十年前に発見され直後に亡失した古文書『犬王聞書』とを結ぶ中で、四つの殺人事件がおこることを岡田は知るよしもなかった。
第一の事件は小泉佐保が目撃した。被害者は、この十年間三重県伊賀に逼塞していた伯父の郷土史家服部英昭だった。佐保は葛野女子大学を卒業して以来、この伯父夫婦の世話になっていた。嘱託司書のかたわら国家試験に励んでいたが、昨年秋情報図書館専門試験に合格した矢先だった。
佐保は、事件の翌日京都百万遍大学中央図書館に初出勤することになっていた。
↓主な人物
小泉佐保(こいずみ・さほ)
25歳女性。葛野女子大学・文学部国文科を2年前に卒業し、
伊賀の伯父の家で司書受験勉強をしていた。
現在は、京都百万遍大学中央図書館司書。
大林宏美(おおばやし・ひろみ) 通称<ダイ>
佐保の同窓生、親友。
現在は、祇園・東山にある京都インターソフト社に勤めている。
尼崎純子(あまがさき・じゅんこ) 通称<タマ>
佐保の同窓生、親友。
卒業間近に結婚し、現在は東京不二通信株式会社・企画部に勤めている。
小沢トモコ(おざわ)
21歳女性。葛野女子大学3年生。
谷崎教授の手伝いをしている。
谷崎球波(たにざき・きゅうは)
40代半ば男性。葛野女子大学教授。小泉佐保の恩師。
服部英昭(はっとり・ひであき)
佐保の伯父、50代半ば男性。三重県伊賀町嘱託職員で、町史編纂をしている。元は司書。
珠樹勝乃(たまき・かつの)
京都祇園・小料理屋「たまき」の女将、29歳。
大林宏美が勤めている会社社長の妹。
京都百万遍大学文学部
岡田教授
京都百万遍大学・大学院文学研究科・教授 中世芸能史。
佐伯助教授(さえき)
京都百万遍大学・大学院文学研究科・助教授 中世芸能史。
高柳(たかやなぎ)
京都百万遍大学・大学院文学研究科・後期博士課程院生。
20代後半男性。
京都百万遍大学中央図書館
岩田部長(いわた)
50代半ば男性。京都百万遍大学中央図書館事務部長。
浦田課長(うらた)
秘書課長
40代男性。
澤口秘書(さわぐち)
秘書課職員、部長秘書
30代半ば女性。
磯垣課長(いそがき)
情報サービス課長
40代男性。佐保の上司。
柿元係長(かきのもと)
情報サービス課レファレンス係長
30代半ば女性。佐保の上司。
長田(おさだ)
30代前後男性。佐保の先輩司書。司書の中の司書と噂されている。
黒木(くろき)
60代半ば男性。定年退職後、中央図書館嘱託職員として古い資料を整理している。
中世の人物
足利義満
室町幕府、三代将軍。
二条良基(にじょう・よしもと)
足利義満時代の摂政・関白。
犬王・道阿弥(いぬおう・どうあみ)
近江申楽日吉座、能楽の原点となった人物。
観世清次(きよつぐ) <観阿弥:かんあみ>
能楽の大成者。観世能初代。
観世元清(もときよ) <世阿弥:ぜあみ>
幼名・鬼夜叉、藤若。
能楽の大成者。観阿弥の息子。
観世元雅(もとまさ)
世阿弥の長男。
観世元能(もとよし)
世阿弥の次男。
世阿弥からの聞き書き「申楽談儀(さるがくだんぎ)」の執筆者。
観世元重(もとしげ) <音阿弥:おんあみ>
観世流三世。世阿弥の甥。観阿弥の孫。