カテゴリー「嵯峨野鉄道図書館」の32件の記事

2011年3月 5日 (土)

ジオラマ・京都・JAPAN:嵯峨野観光鉄道

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↑ジオラマ・京都・JAPANの「蒸気機関車・扇形車庫あたり」(HOゲージ 1/80縮尺)

 嵯峨野観光鉄道が20周年記念として、今のところ(笑)日本最大のジオラマを、噂では2億円程度かけて、造ったというので、まずはぶらりと訪ねてみた。

 ↓以下は改良されていた。
 結論は、これから何度か訪れたいが専用駐車場が1500円もかかるので「こんなにぼらなくてもよいのに。かえって評判落とすよ」と思った。ジオラマ会場は500円なので、妥当と思った。今後はトロッコ鉄道博物館としての成熟を切に期待しているが、1500円の駐車料金は、観光地特有のいちげんさん相手の商売、取れるところから取ろうというさもしささえ感じた。
 ↑2011年夏には、駐車料金が1000円になっていた。これは付近状況からして妥当と思えた。

 さて、写真は数十枚撮ったので詳細は後日に、少しずつまとめていく。
 初見では、ギミックがいろいろあって実に愉しい。特に、バスや消防車模型が実際に広い範囲を走り回るのには驚いた。鉄道ジオラマだからといって、新幹線や特急だけが走るのではリアリティが無くなる。しかしギミックの詳細はネタバレになりそうなので、少し悩む。後日じっくり考えて記録しようと思った。
 今のところ解説文章も無いので、どんなギミックが潜んでいるのか、何回か訪れて観察する必要がある(笑)。ジオラマの中に図書館がないかと探したが、このときは見つけられなかった。
 1/80縮尺だとフィギュア、人形が大きいので、いろいろなポーズをはっきり見せてくれていた。
 本当に広い空間なので、見どころというかポイントを見つけて眺めていると、一種の夢幻を味わった。

 ただし。
 まだ未整備部分が多かったので、時間をかけて作り込んでいくのだと想像した。特に建物は、ぽんぽんとおいたままが幾つかあった。大型の高架線路はダイナミックに通っていたが、平地の退屈さもあった。たとえば京都なら山で囲まれているのだから、山や川で起伏を持たせて欲しい。


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↑従来からあるジオラマを走る「嵯峨野・トロッコ列車」(Nゲージ 1/150縮尺)

 上記大型ジオラマの入り口に、小振りのものがあった。以前からあるようだが、2008年に訪れたときは無かった。縮尺は1/150なので随分小型に見えた。しかし密度、完成度は非常に高く思えた。接近撮影をしてもたじろぐところがないできばえだと思った。私は、開設まなしの「ジオラマ・京都・JAPAN」よりもNゲージの小型ジオラマの方が、いまのところは気に入った。みっしりと丁寧に作り込まれていた。
 中でも、嵯峨野トロッコ列車は、よい。
 知る限り、このトロッコ列車は市販されていないので、強烈に欲しく思った(笑)。Nゲージの小型トロッコ列車にちゃんと乗客の姿まであった。随分上等な全体景観であり、精密模型だと思った。
 また訪ねてみたい。


地図

大きな地図で見る

参考
 二階建て図書館列車考(5-1)列車篇:嵯峨野トロッコ列車
 二階建て図書館列車考(5-2)乗車篇:嵯峨野トロッコ列車

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2010年1月27日 (水)

伊勢参り(1)「楽」近鉄ビスタカー20000系・二階建て車両

 2010年1月下旬に伊勢初詣にでむいた。その、人の波にもまれた伊勢神宮のことは後日にまとめておこう。
 このたびは、行き帰りに乗った近鉄二階建て電車の記録とする。

 車両名は近鉄ビスタカー20000系「楽」といい行楽用の二階建て電車である。調べると時速120キロのスピードが出るらしい。実際の、体感では極めて静粛で、自動車なら時速40キロほどの安定した走行感覚だった。何故かと思って車窓を眺めながら思ったが、近鉄のこの伊勢路はとにかく直線が長く続く。後に地図で区間区間を眺めると延々とした直線が続く。定規で決めたような線路だった。

 それだけではない。
 つくづく近鉄・特急車両の快適さを知ったのは、帰路京都駅でJR奈良線に乗ったときだ。桃山駅と六地蔵駅の、比較的直線が続く箇所を走る様子が、いまでも笑い出すくらい、車両が分解するような過激な走行騒音だった。息を切らして走りに走るという様子だった。この点では、さすがに私鉄・近鉄のビスタカーだけのことはあると、感心した。もちろんJR車両の乗り心地をけなしているのではない。その過激な走りっぷりと、ビスタカー「楽」の音も振動もない滑るような走りの、落差ににんまりしたわけだ。

 横揺れもない。
 新幹線以上に静粛だった。と、かけば新幹線は時速300キロ、「楽」はせいぜい時速100キロの違いを指摘されよう。ただしかし、私の想定する「二階建てトロッコ図書館列車」が時速300キロで走る必要もないし、せいぜい時速40キロ程度のゆるゆるとした雰囲気で音もなく滑空するように走れば、それで要求項目をパスしたことになる。おそらく新幹線よりも「楽」の方が建造費は安いだろう。

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↑4号車の階段状展望席
 往路は近鉄・京都駅で、最後尾車に乗った。4両編成の4号車で、帰路はこれが先頭車になった。車両編成の前後どちらからでも運転できるのは便利だ。蒸気機関車だと回転させる必要があり、難儀なことだが、マニアにはそれがたまらぬのだろう。
 驚いたのは正面運転席に向かって階段状の座席になっていることだった。映画、シアターの雰囲気を満喫した。特に帰路は夜だったので、行き交う電車に見とれていた。図書・雑誌を閲覧するよりも、前景を眺める方が楽しいというのが実情だった。しかし毎日乗っていたら、やはり快適な席に座って読書するだろう。

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↑4号車の運転/車掌席

Mus_img_2950 ↑本来、二階建てトロッコ図書館列車の考究に、全面ガラス張りの運転席を論評しても意味がないともいえようが、しかし開放感ということでは、左右の窓だけよりもこの天井に至る透明度が外界を透かして見せる趣向は捨てがたい。そういう雰囲気を捨て去ったなら、なべて人間のすることなすことは、起きて半畳、寝て一畳ですんでしまって歌も色気もない。
   (右写真はサンダーバード→)
 よく見ると正面の一部は貫通するドアに見えた。どういう状況を想定したのかは知らないが、車掌や運転士は側面の出入り口を使っていたから、この正面ドアから出入りするとは思えない。以前、長浜に行ったとき、北陸線のサンダーバードが、確かに正面同士でくっついていた。電車というものは、そういう使い方をすることもあるようだ。

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↑4号車の一階席
 目当ての1階部分だが、広い「多目的サロン」があった。このまま図書館列車に応用するなら、ここを雑誌や新聞を読む軽読書室、あるいは談話室としてよかろう。↑写真はその隣の座席で、包み込まれるような感触は重読書室としての機能を十分に果たす。
 問題は、書庫をどこに置くのかだった。1号車と4号車とはそれぞれ階段状座席になっているので、その一階部分がどうなっているかの判断ができなかった。単純にデッドスペースなのか、何かの用にたてているのかは、後日の調査を待たねばならない。要するに、書庫スペースがない。2号車、3号車はハイデッカーなので工夫すれば床下書庫を造作できるかもしれない。一番よいのは、書庫車の新造となるが、これは新造よりも他の車両を改良する方が現実的だ。特急車両でなくてもよかろう。
 もうひとつは、私の気のせいかもしれないが、走行中に2階よりも多少振動があったということだ。一般に重心の低い方が安定しているように思えるが(京阪ダブルダッカー車両の1階)、車両の設計によってはそれが異なるのかもしれない。ただし、その揺れはわずかに感じられたので、偶然ないし気のせいかもしれない。

近鉄20000系(00)4号車:運転席全景
近鉄20000系(01)4号車:階段展望席
近鉄20000系(02)4号車:走行中
近鉄20000系(03)4号車:走行中
近鉄20000系(04)4号車:運転席
近鉄20000系(05)4号車階段(2F)
近鉄20000系(06)4号車階段(1F)
近鉄20000系(07)4号車階段(1F~2F)
近鉄20000系(08)4号車1階席
近鉄20000系(09)4号車1階席
近鉄20000系(10)4号車1階席から見たホーム
近鉄20000系(11)4号車1階のラウンジ
近鉄20000系(15)4号車外観正面
近鉄20000系(15)4号車外観「楽」
近鉄20000系(16)4号車外観側面「楽」
近鉄20000系(17)帰路・近鉄宇治山田駅
近鉄20000系(18)帰路・運転席
近鉄20000系(19)帰路・山々
近鉄20000系(20)帰路・夕日の伊勢路
近鉄20000系(21)帰路・行き交う近鉄電車

参考
 近鉄20000系電車 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 鉄路の名優「20000系 楽(RAKU)」

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2009年10月10日 (土)

小説木幡記:2009/10/10(土)温泉鉄道ジオラマ:湯郷温泉てつどう模型館

 岡山県の美作市(みまさか)に「湯郷温泉てつどう模型館&レトロおもちゃ館」ができて一年を迎えるとの記事があった。ゆのごう温泉、と読むらしい。

 ☆ 昭和の香り、温泉街わく、京都精華大の学生も協力(産経関西
 ☆ 【鉄道ファン必見】間もなく開館1年~貴重な昭和の鉄道資料ひしめく「湯郷温泉てつどう模型館」の全て(MSN産経ニュース
 ☆ 湯郷温泉てつどう模型館&レトロおもちゃ館(HOME頁

 岡山県の美作(みまさか)とか津山は行ったことはないが、島田荘司さんの小説にはよく登場する地域で、懐かしい気持になる。それで地図を見てみた。すると、中国自動車道の美作ICのすぐ側とわかった。ここなら、通り過ぎたことがある。

(湯郷温泉:岡山県美作市湯郷)

 山の中なのに(笑)鉄道が、姫新線、津山線、智頭急行(これは鳥取へ行ったときに乗った)と、レトロな風情のありそうな線路が沢山ある。新聞記事では、近所の津山駅は鉄ちゃんのメッカみたいなところらしい(扇形機関車庫)。なにか、岡山県の山奥って、住んでいる人には申し訳ない言いぐさだが、ロマンがあるなぁ。たしか鍾乳洞もたくさんあるはずだ。温泉もあって、ミステリ小説がいくらでも書けそうだ!

 そうそう、わざわざ記事にしたのは、京都市の北にある精華大学の先生とか学生達が街おこしのために大きなジオラマを作ったというのも、気になった。マンガ学科の学生たちがこの地域のマンガを描いて、それを建築学科の学生達が鉄道ジオラマにした、という話。うちの屯所の学生達も見習って欲しい脳~。

 うむ。わが葛野でも、マンガ学科とか建築学科と迂回せずにはっきりと「鉄道図書館列車ジオラマ学科」でも作れば、全国各地の村おこし、町おこしに出掛けていって、ジオラマを作ってあげられるようになるなぁ。しかし、<鉄道図書館列車ジオラマ学科>では、つぶしがききそうにないから、やはり学生募集に苦労しそうじゃ(cat)。

 そんなこと考える暇があるなら、「葛野起こしに力を尽くせ!」と、どっかから聞こえてきた、空耳か。

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2009年8月13日 (木)

小説葛野記:2009/08/13(木)電車の新しい動力源:燃料電池+リチウムイオン電池

電車にハイブリッド
 鉄道総合研究所の発表では、鉄道にもハイブリッド電車が実験されているようだ。実験と言っても2001年ころから始まっているのだから、実用的な話がそろそろと、楽しみである。

 1(新聞記事)架線なしでも大丈夫…クリーンな「ハイブリッド電車」が安定走行
 2(オリジナル)燃料電池・バッテリーハイブリッド試験電車の開発/山本貴光

 水素をもとにする燃料電池で電気を作って、その電気をリチウムイオン電池に蓄えて、途中で充電もなく、電車が動くらしい。いまはやりのトヨタやホンダのハイブリッドカーは、ときどきガソリンエンジンで電池を充電して走る。また、トヨタは再来年に、小さな車(ヴィッツかな?)で性能の高いハイブリッドカーを生産するとラジオで言っていた。1リットルのガソリンで40kmほど走るのだから、バイク並の燃料費になる。で、電車には燃料電池を積むから、架線からの巨大電力も、自動車のようなガソリンも不要になる。代わりに積む水素が、少しなれるまで扱いに困ると想像。しかしガソリンも水素も、扱いを間違うと爆発するのは同じ。経験を積めば、原子力潜水艦も潜行しておる(笑)。

リチウムイオンン電池だけの乗り物実験
 三菱自動車かどこかで、電池自動車が実用化されてきた、と耳にした。しかしいろいろな所で充電するのがめんどくさい。と、思っている一方、以前から慶応大学が実験している、純粋のリチウムイオン電池だけで時速300kmを超す自動車の話が、ずっと気になっている。慶応大学Eliica(エリーカ)プロジェクトチームというのがあって、「最高時速370km。加速度0.68G。」とあるから凄まじい。(充電は大変だろうな)
 
 このエリーカで一番気に入っているのは、8つの車輪全部に強力モーターをつけて、一つが100馬力で、合計800馬力。慶応大学の人は昔から野放図というか、やることが派手なので、おもしろくてしかたない。研究者の質もなんとなく旧帝大の秀才とは違うようだ(cat)。

改良リチウムイオン電池EH1600:愛称・ラスモン愛宕号
(図書館列車・牽引機関車)
 ここからはモデル世界の話。上記の現実世界とはちと異なるが、モデル世界にはその世界の自律性がある。
 さて、現代のNゲージ世界には、EH500というTOMIX製の8軸16動輪電気機関車がある。
 その雄姿はMuBlogのいたるところで写真を出しているので、知っているかたもおられよう。たとえば、「高台の図書館:鉄道図書館(7)レールレイアウト仮設と試運転」の末尾に<附録:EH500(TOMIX)金太郎への執心>として片鱗を公開しておる。いずれ、EH500に対する切々とした慕情をまとめておきたい。

 なぜこのモンスター電機を愛惜するかは今回の話とはそれるが、簡単にいうと16動輪がしっかりレールを掴み込み、14センチ半径の急坂路を、最低速から最高速まで、実にじりじりと、しゅわっと、重い図書館列車を数両牽引して正しく走るからである、……。これは、モデル世界ではもう奇跡的な走行性能と言って過言ではない!

 で、余の作る「二階建て鉄道図書館列車」世界では、このモンスターマシンが主役になる。ひなびた田舎から深山幽谷の景勝地、そして大都会。全域を、リチウムイオン電池でじわじわと、無音で、走る姿を想像しておる。充電は、鉄道だから駅構内を使い、昔の薪炭給水よりも気楽に行える。

 ここのところは、慶応大学発のエリーカにならって、16動輪全部に200馬力程度のモーターを付けて、3200馬力で、「EH1600タイプ・国立国会図書館分館列車」を作ろうではないかぁ! 東京や京都が災害や空襲で壊滅状態になって国立国会図書館(本館も関西館も)が破壊されても、そのときラスモン愛宕号は九州の果てか、東北の山間地を、しずしずと地域・生涯学習の普及のため、無事走っておる。すばらしいではないか。
 

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2009年5月 5日 (火)

自動往復運転の実験:サロ124形「二階建てトロッコ図書館列車・あたご2号(HOゲージ)」

承前1:二階建て図書館列車考(8)改造車篇:あたご号2号【HO-サロ124】
承前2:小説葛野記:2009/04/28(火)責務の狭間、二社共存

概要
 Nゲージ用自動運転制御装置(TOMIX 5563 TCS Automatic Operation Unit N)をHOゲージ用レール(KATO HOユニトラック)に組み込み、単線でのHOスケール・二階建て図書館列車の自動往復運転を実現した。

はじめに
 一般に、地域観光施設や生涯学習施設のコンセプト(概念)の説明には、模型(ジオラマ)をもってあてることが多いです。これはジオラマが概念(想念・イメージ)と現実との間に橋渡しをする媒介となり、概念と現実間のメディア変換機能をもっているからです。

 この考えに基づいて、すでに「二階建てトロッコ鉄道図書館列車・あたご2号(HO)」を作成しました。この図書館列車の機能を明確にするために、モデルとした鉄道車両はHO(日本では16番)と言われる線路幅16.5mm、縮尺1/80のものを使いました。これは日本で普及しているNゲージ(線路幅9mm、縮尺1/150)模型よりも若干大きいものです。原型とした列車はJRサロ124と呼ばれる二階建て客車です。この詳細は冒頭の承前1に記しました。

 この大きめの図書館列車モデルを説明や展示のために運転するには、一般的な円周(エンドレス・レイアウト)配置ですとスペースがかさみ、移動や持ち運びが不便になります。これを解消するには幅40センチ、長さ180センチ程度の長方形レイアウトが最適です。しかしエンドレス方式とは異なり、両終端間を往復させるには人手によるスイッチの切り替えが数十秒毎に必要となり、はなはだ効率が悪くなります。そこで、自動往復機能の有効性が生まれます。

 しかし調査したところ日本の鉄道模型世界での「自動(往復)運転」は、とくにHOゲージの場合は特殊な技術を必要とし、一般に普及しておりません。DCC(Digital Command Contorol)という方式によればこれらが可能となるわけですが、日本では高額な設備投資や技術的な難しさもまだ残っているようです。そこで日本で一番普及しているNゲージ鉄道模型で使われているTOMIXの「5563 TCS 自動運転システム」を、今回モデルとしたHO方式の線路で使えるかどうかを実験しました。このTOMIXの5563はあらかじめ10種類の自動運転モード機能を持っていますが、今回使ったのはモード1に該当する「自動往復」です。

↓写真:二階建てトロッコ図書館列車あたご2号(HO)と、編成
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 ↑この列車編成は承前1で説明したサロ124(TOMIX製)改造の二階建てトロッコ図書館列車「あたご2号(HO)」と、それを牽引するディーゼル機関車DE10(KATO製)です。中間の黒い小さな貨客車は車掌車です。レールは幅16.5mmのHOゲージ・レール(KATO のHOユニトラック)です。

↓写真:HO用レールに取り付けた自製・列車通過センサー
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 ↑写真上部は改造されていないTOMIXのサロ124(HO)です。写真下部のレールや自製のセンサー感知部との比較ができます。
 レールの裏底面に設置した未改造のTOMIXセンサーから2本の線を引き出し、一本はレール(写真下部)に、一本は自製の「感知部」にハンダ付けしました。自製の感知部は真鍮板のような弾力のある金属なら他のものでも使えます。写真ではNゲージ車両用の集電板を使いました。この集電板とレールとの間を、金属製車輪が通過することで短絡し、センサーが信号を制御部に送る仕組みです。
 この感知部とセンサーとを組み込んだ直線レールを、レールレイアウトの左右にセットしたことで、自動往復が可能となりました。

                  ←列車・往
 @===[センサー:3番結線]========[センサー:2番結線]===@  KATO製のHOユニトラック
                  列車・復→

 以下に各部の説明をします。各写真をクリックすると拡大写真と詳細説明が現れます。
     
電源と自動運転制御装置

自動往復:電源と自動制御器
自動往復:5563  TCS自動運転ユニットN
自動往復:センサー出力(感知)

 この実験では、HOタイプ車両を動かすための電源や制御装置は、レールに組み込まれたポイント駆動装置以外のすべてをTOMIX製Nゲージ用のものを使いました。レールからみると相互に他社で、かつ規格(NとHO)が異なるわけですが、鉄道模型は世界的に直流12Vを線路に通電することが基本になっています。HOゲージはNゲージに比べて電気容量の問題は若干残るわけですが、電源に使ったTOMIXのN-1000-CLは比較的容量(1.2A)が大きく、HO用に流用しても問題はありません。

 TOMIXの自動運転制御装置は、4個のセンサーを処理できますが、本実験では左右の完全停止のセンサー2本を省略し、左右の加速減速センサーを2個接続しました。左右二個というのは、列車の進行方向(直流の極性にあわせて)によって、列車が通過したことを信号として受けた制御装置が、加速するのか減速するのかを内部で判定しているわけです。そして減速の終わりは停止です。これらのタイミングは、装置のツマミによって調整できます。

列車通過センサーの加工

自動往復:5558  TCSワンタッチ装着センサー
自動往復:車輪通過センサー
自動往復:5566 TCSスラブレール用センサー

 使ったセンサーはTOMIX製です。市場には3種類(ワンタッチ装着センサー、スラブレール用センサー、Nゲージレール組み込みセンサー)ありますが、前二者はすべて写真詳細説明に記した方法で、HOゲージレールにも取り付けることが出来ます。センサーの内部はブラックボックスなので詳細は分かりませんが、もともと自動信号機などで使われるのが一般的です。要点は、レールと感知部が金属車輪によって短絡されたかどうかを判定する機能を持つと言うことです。

 ただし、一度短絡すると列車が通過して次にセンサーを通過するまで3秒間は反応しない様に作られています。ですからセンサー間が隣接していたり、列車編成が極端に長くなり、同一センサー上通過に3秒以上かかると、機能不全になります。(電源のリセットで復帰)

他社(KATO)のポイント装置をTOMIXで制御する

自動往復:KATOの線路切り替え機(ポイント)
自動往復:TOMIXのポイントスイッチでKATO社のHOゲージ用ポイントを動かす

 今回は使いませんでしたが、自動運転システムにはポイントを2個まで制御出来るモードが含まれています。別途のNゲージ用ファイントラック仕様(TOMIX)では、ダブルスリップポイントという複雑な複線両渡り用ポイントで試行した結果、カタログ通りの効果を確認できました。

 幅40センチで長さ180センチ程度の往復モデルでも、やがて駅舎と図書館を設営し、支線などを使いますので、とりあえず今回はHO用のKATO製電動ポイントを、TOMIXのNゲージ用電源やポイントスイッチで制御出来るかどうかを確認しました。相互に結線をつなぎ替えるだけで、実験結果は良好でした。

 ただしポイント電動駆動装置は、世界にはモーターを使うモデルもあり、今回のTOMIXとKATOの場合は両者共にソレノイド方式(コイルの中に稼働心棒がセットしてある)で、コンデンサーに蓄えた電流を一挙に放出しポイントを作動させるので、比較的互換性が高いものと推量しています。実際に長期間運用することで妥当性が明確になると考えています。

スラブレール用センサーについて

自動往復:スラブレール用センサーを一般レールにはめ込む
自動往復:壊れたセンサーの再利用

 センサーが3種類あっても方式に違いはありません。列車がどこを通過したかを判定するために、レールと感知部の短絡を診る方式です。他にロボットで使われるセンサーはもっと多様ですから、将来は鉄道模型にも取り込まれる可能性があると思います。

 さて、本実験の趣旨はHOゲージレールでの自動往復運転にあるわけですが、ここで副産物としてセンサーについて記しておきます。
 TOMIXのスラブレール用センサーは用途がNゲージ用スラブレール(新設新幹線などで使われる、犬釘接合で枕木のないコンクリート道床レール)専用となっていますが、工夫次第ではNゲージレールに直接組み込むことも可能です。別途「専用センサー付きレール」もありますが、既設のレール・レイアウトに組み込むとき無理も生じます。その際、写真で説明したような方法があることも応用の一つと考えます。

 またTOMIXはセンサーその他の配線方法にTCS(Terminal Connection System)と名付けています。この詳細も今のところブラックボックスですが、最低限写真の様に結線を数珠つなぎにできる機能があることを理解出来ました。これは、実はジオラマ(レール・レイアウト)で経路の途中にポイントを挿入して切り替えることで、2つ以上のセンサーに同一機能を割り振ることもできます。つまり、減速開始センサーを数カ所に数珠つなぎで埋め込んでポイントで切り替える工夫です。なぜそのような工夫が必要かというと、自動運転制御装置には、センサーを受け入れるソケットに制限があり、たとえば4つの受け口をモードによって機能変更しているからです。

 もちろんDCCシステムのように車体搭載デコーダー(車体自己確認装置)で機番を割り振る方式も現在あるわけですが、センサーにPC世界のSCSIのような機番がもてるようになれば、この現行通常方式でもセンサーの使い勝手が上がると思いました。一個の受け口で各センサーを識別できるようになります。
 以上は、正確な仕様書なしで、現実のコントローラを診ただけの推量に過ぎません。ただし副産物として記録しておきます。

狭い空間を往復運転する「あたご2号」

自動往復:机上隙間を走る図書館列車あたご2号
自動往復:減速センサー上のあたご2号
自動往復:無事にでてきたDE10と「あたご2号」

 写真ではまだレイアウト基盤(幅40センチ、ながさ180センチ程度)を用意していませんが、KATOのHOユニトラックは道床方式なので、このように自由に仮設営ができて簡便です。類書を見ますと、HOゲージでもフレキシブルレール(自由変形)を用いて、60センチX90センチの小さなレイアウトで半径25センチのエンドレスHOゲージを設営出来るようですが、一般にフレキシブルレールは完全固定を前提としています。

 他にドイツのフライシュマン(Fleischmann)製のレールでは道床付きレールでも半径35センチ程度の円周を構成できますが、HOゲージは車両の可動半径に制限が強く基本的にNゲージのような小空間での円周エンドレス運転をできるようにはなっていません。
 よって、小さな隙間でも、間にドアなどの遮蔽物があっても、概念上エンドレス運転を可能とする自動往復装置は今後もその役割を果たすと考えます。その意味でも、今回の実験成功は、鉄道モデルによる「未来の図書館」を表現するのに役立つと確認しました。

まとめ
 鉄道図書館列車の構想を、その概念全体を明瞭にするために一旦鉄道模型ジオラマにメディア変換するには、物理的に比較的大型の模型車両が必要です。これまでは、地域全体を表現するためにNゲージタイプのジオラマ「嵯峨野鉄道図書館列車ジオラマ」を構成してきましたが、最近、図書館列車そのものを明瞭に表現するためにより大きいHOゲージのサロ124を改造し、「あたご2号(HO)」を開発しました。
 しかしHOゲージになると、移動設営のための諸設備がNゲージに比べて大規模になります。これを解消するため長方形の基盤上での直線運転に取り組み、今回実験ではその自動往復運転を可能にしました。
 こういう方式はDCCというデジタル方式によれば容易に実現できることは周知ですが、装置や設備投資、扱いの簡便さからみて、Nゲージ用に普及している装置を、HOゲージレールに組み込むことで、簡便な自動往復を実現することが出来ました。
 今後は同装置によって、レール・ポイントの自動切り替えモードを応用し、より具体的な図書館列車の運用を実験してみたいです。

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2009年4月28日 (火)

小説葛野記:2009/04/28(火)責務の狭間、二社共存

 昨日、一つの重要書類を完成し、今日は次の予定をこなそうとしたが、よく考えると明日の「昭和の日」も授業があるので! 懸案の基本工作を果たすことにした。結局一日かかったが、よいデキだったので満足。おまけに明日の授業準備も終えた。MacBookはスリープにしていたせいか、電池が10%になっていたのであわてて充電したぞ。

HOとNゲージあるいはKATO社とTOMIX社
 ことの次第は、過日完成した大きめのHOスケール「二階建て図書館トロッコ列車」あたご2号を走らせる工夫にあった。さて、どうにも日本のHO用ゲージのレールはカーブが造りにくく、いわゆる自由変形のレールを使わないと狭い場所に収まりきらない。しかしくねくね曲がる自由変形のレールは若干手間(下にコルクを敷くとかな)をかけて固定しないとうまくいかない。

 要するに、しっかりしたHO用のレールはKATOが販売しているが、これが最小半径49センチなので、直径が1mになって、机上や畳一枚にセットすることが難しい。そこで、いずれはどこかで「図書館列車」のコンセプトを公開するときのために、直線の自動往復運転がなんとかならないかと、試してみた。これなら2mくらいの長さで、幅45センチ程度でうまくいき、持ち運びや研究室にセットするのもずいぶん気楽になる。

TOMIXのNスケール用自動運転システム
 TOMIXという会社は、列車はNもHOスケールも製造販売しているが、レールはNスケール(幅9ミリ)に専念している。それは物凄い種類をだしているから、どんな深山幽谷曲がりくねったレールレイアウトでも作れる。ポイント(線路切り替え)の種類もあっけに取られるほど多種多様で、余も実は意外なレイアウトを作っている。

 そのTOMIXが廉価と言えば廉価(高いとも言えるが人は様々)な自動運転システム(装置は9千円程度)を販売している。これが自動往復なんかをあっけなく達成し、複雑なレイアウトに組み込むと実におもしろい動きを見せる。図書館本館と、いくつかの図書館駅を行きつ戻りつつ停車、発進するのだから、一つの「図書館列車物語」を作るに最適と確認した。(本格的なDCCというシステムは高価で難しそう(笑))

 うまくいった。

KATOのHO用レール
 KATOで周回レイアウトを作るのは諦めた。ドイツのFleischmann社のレールは直径70センチ程度の円が可能なのでそれを入手した。しかし、意図するジオラマ、レールレイアウトを作るには結局四畳半くらいは使わないとHOのスケールでは無理だと再確認し、さらに諦めた。これは後日に少しずつ。

 要するにあらゆる可能性のうち、HOタイプの大きめの「あたご2号」を表現するには、直線自動往復運転がいろいろな点からみて、最良と思った。そこで、TOMIXのNスケール用・自動運転システムを縮尺やシステムが異なるKATOに埋め込むことにしたわけだ。

 それが今日の成果となった。

二社共存
 そこで、電源装置も自動運転装置も、列車通過を知らせる感知装置(センサー)も、ついでにポイント制御も、すべてTOMIX仕様で、レールとポイント本体だけをKATOにしたわけだ。
 道具は、ハンダごてと、ニッパーと、テスター(ホームセンターで3000円くらいの廉価物)、これだけだった。しかし、TOMIXのセンサーは3種類あって、そのうちの二種類を使ったが、残念ながらセンサーを2つ(合計2000円強)をおシャカにしてしまった。(スラブレール用というのが一杯あったので、それを使ったが一つは成功し、二つはハンダ熱で駄目にした)

 しかし、うまく行った。センサーを最低規模の二つにしたので、歩留まり50%の成功だった。もちろんうまく行くタイプのセンサー(品薄)なら100%確実に動く。

まとめ
 これで「あたご2号」はどんな所でも(長さ2mで幅30 ~45センチの空間)走らせることができる。一本千円のセンサーを2本潰したのは辛かったが、物事最初はこういう失敗もあるものだ。あはは。

 そうそう、意外にも、KATOのHOポイントシステムはNゲージ用TOMIXの電源やポイントスイッチで実にうまく動く。当たり前のことかもしれないが、一つの盲点なんだろう。うむ。

 いずれ写真入りで工作を紹介するつもりだが、それにしても、別の論文やまとめや、授業準備がいろいろあって、ここで無理するとまた横臥することになるので、楽になったら記録しようぞ。 

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2009年4月27日 (月)

北九州・門司港を走るトロッコ列車「潮風号」

青いトロッコ列車・潮風号
 2009年4月26(日)に北九州市門司港レトロ地区で、青いトロッコ列車が開業しました。
 (門司港レトロ観光列車「潮風号」とは

 全長2キロの行程を片道10分ほどかけて、時速20キロ程度で走るようです。なによりも青い車体色とその小さな機関車の姿に驚きました。
 (観光列車「潮風号」搬入 門司港レトロ地区:産経ニュース)

 門司港レトロ地区は2006年の夏に、葛野図書倶楽部2001の人達と行ったことがあります。その後の倶楽部で2008年に行った愛知県の博物館明治村が明治ロマンなら、門司港地区は大正ロマンと言えます。大正ロマンの街並みにトロッコ列車が走る姿を想像し陶然としました。

 あまりに機関車が可愛らしくみえたので、遠い将来わが「嵯峨野鉄道図書館列車ジオラマ」で走ることを願い、インターネットを少しさがしてみました。

DB10形ディーゼル機関車
 それで分かったのですが、機関車はDB10形といって、車軸が2本しかない(だからB)ディーゼル(だからD)機関車だったわけです。しかも、それは平成18年までは「南阿蘇鉄道」で「ゆうすげ1号」トロッコ列車として活躍していました。
 (南阿蘇鉄道DB10形

 そのDB10形2両を門司港レトロ観光列車が譲り受けたわけです。トラ70000という貨車をトロッコに変えた客車2両の前後にDB10を置き、非力さを補い、単線往復を簡単にできるように工夫しています(行きと帰りで、機関車が方向を変えなくてすみます)

 さて、虎の子の小型ディーゼル機関車2両とトロッコを譲った南阿蘇鉄道はどうなったのでしょう? 実は一瞬心配になりました。ところが、なんと同社は「日本宝くじ協会」の助成を受けて、もう少し大きい新型のDB16を購入したらしいのです(笑)。安心しました!
 (新型トロッコ登場

予習復習
 【門司港レトロ観光列車の諸元】を読んでいて気になる一節がありました。「普通鉄道としては全国初の観光に目的を特化した鉄道として申請しま した。 」
 嵯峨野観光鉄道や南阿蘇鉄道の観光トロッコ列車がすでにあるのでは? と思ったわけです。実は、そこに私は意外な事実を知ったのです。「普通鉄道としては」というのが、門司港レトロさんの伝えたかったことなんでしょう。つまり、門司港レトロは<特定目的鉄道事業>として法律上からも「観光目的」を専門にする鉄道のようです。私の身近な「嵯峨野観光鉄道」は<第二種鉄道事業>になり、これは路線だけを借りて自前の施設や車両で、旅客や貨物の運送を行う事業者で、逆に観光特化鉄道ではないわけです。
 (鉄道事業者:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 ただ、門司港レトロと嵯峨野観光のトロッコの違いを見るよりも(相互に離れているから、事業者区分を意識せずとも良いでしょう:taurus)、門司港レトロ観光線が、小さな規模の車両と使われていなかった線路を再利用し、そしてそれを国土交通大臣ではなくて、地方運輸局長の権限によって裁可された事実に驚いたわけです。

 「二階建てトロッコ図書館列車」は現在の法律<特定目的鉄道事業>の下で、観光と合わせることで、実現可能性が従来よりも高まったと思ったわけです。車両もJRサロ-124とか京阪ダブルデッカーなんかを譲ってもらって、見識のある銀行 (注:門司港レトロ観光線の場合は、山口銀行が支援したようです)の応援があれば、走りますなぁ~aries
 (DB10+トロッコでの採算は、年間10万人らしいです。)

参考
 二階建て図書館列車 あたご2号(HO)
 編集長敬白:DB10の制動装置
 「門司港レトロ観光トロッコ列車」中で、以下の引用から示唆を得ました。

5.現在の成果・実績、今後の展開など
 「観光に特化した鉄道」の開業は国内初のケースとなり、地元はもちろん全国的な注目を集めている。
 九州の鉄道の拠点として栄えた門司の歴史を大切にしながら、多くの観光客や市民に愛される鉄道を、一日も早く開業させたいと考えている。
 

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2009年4月21日 (火)

二階建て図書館列車考(8)改造車篇:あたご号2号【HO-サロ124】

承前:二階建て図書館列車考(6)改造車篇:愛宕号(あたご)
承前:二階建て図書館列車考(7)改造車篇:纒向号(まきむく:Nゲージ・会議研究図書館列車)
目次::嵯峨野鉄道図書館ジオラマ

 はじめて「二階建てトロッコ図書館列車」愛宕号をモデル化したのは昨年(2008)の5月でした。しかし1/150というNスケールは列車幅が指ほどの大きさで、ここが司書室、ここが書庫と指さすだけでそれ以上に意を尽くすことができませんでした。それからほぼ一年たった現在、1/80と大きめのモデルを入手しましたので、さっそく改造・図書館列車「あたご2号(HO)」を作ってみました。

 実車はJR東海のサロ124と呼ばれたダブルデッカー車(二階建て)です。乗ったことが無いので詳細は分かりませんが、東京近辺を走る東海道本線のグリーン車らしいです。湘南電車という愛称があるとのことですが、本論ではその由来詳細が今のところ不要なので言及を避けます。ただし、参考記事(1)によると、実車は当初輸送量の増加を狙って60人→90人にするため、二階建てにしたようです。グリーン車であっても、快適さや遊覧のための設計ではなかったわけです。
Bimg_2876
↑愛宕号編成(上段HOタイプ、下段Nタイプ)  写真右上が二階建てトロッコ図書館列車:あたご2号(HOタイプ)

  このサロ124の最初の模型を手にしたのは昨年のことでした。そこではじめて図書館列車として「二階建て」の有効性を実感したわけです。この間の事情は、二階建て図書館列車考(シリーズ)を参照してください。今回手にしたのはTOMIX社製で、鉄道模型世界では16番とかHOスケールと呼ばれている1/80縮尺で、線路幅は16.5mm(ゲージ)になります。嵯峨野鉄道図書館ジオラマは線路幅が9mmですので、そこで走らせることは出来ませんが、先回の愛宕号(N)と今回の詳細な愛宕号(HO)を比較することで、二階建てトロッコ図書館列車のコンセプトが、より明確になると思いました。

 模型長は25センチありましたから80倍すると丁度実車が20mだと分かります。高さはレール上から約54mmありましたから、4m30センチ前後になりますが、どこから計るのかあるいは模型のセッティングなどから考えると確かではありません。

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↑あたご2号(HO):実車はJR東海・サロ124
 (左から、司書車掌室・レファレンスコーナー、二階・軽読書室、二階・オープンカフェ、一階・書庫、一階・重読書室、右端が調理室)

 今回の記事目的は↑この写真を見せることでした。改造・造作の私の不手際には目をつぶってください。
 TOMIX社の模型(HO)サロ124は参考(2)で詳細に説明してありますが、随分こった内容です。たとえば、外からは見えない螺旋階段の左右設置や、上下階でシートの色を変えたり、照明設備を三カ所にもうけて自然な雰囲気を出したりして、実車の状況を精密に縮小しています。

 これにナイフ・ヤスリを入れるのは躊躇しましたが、もう1セット比較用に揃えましたので、思い切って屋根を切り取り、絨毯を敷き、パーティションやレファレンスカウンターなどを接着していきました。

 台車の左右平屋部分をそれぞれ、司書車掌室(レファレンスコーナ)、調理室としました。
 一階には書庫(1000冊程度)とオレンジコーナーと名付けたユーティリティーを設け、残りは重読書室としました。以前京阪特急ダブルデッカーの記事でも言及しましたが、地上に近い一階の密室感や静粛性、読書に心地好い軽い拘束感は、重い読書に向いています。
 二階には片方(司書室寄り)は軽読書室とし4つの広いコーナーを設けパーティションで囲いました。調理室寄りの二階はオープンカフェとしました。人声や食事の匂いがうつるのを考慮し、二つの区域の中央には仕切を付けました。
 詳細は以下の小写真(サムネイル)をクリックしてください。説明を添えてあります。

あたご2号:司書車掌室(その0)
あたご2号:司書車掌室(その1)
あたご2号:司書車掌室(その2)
あたご2号:調理室(その0)
あたご2号:調理室(その1)
あたご2号:調理室(その2)

Bimg_2856
↑HOスケール(1/80)と、Nスケール(1/150)の比較
 (ディーゼル機関車はDE10タイプ。客車はサロ124)

 縮尺の違いを上記写真で確認してください。今回名古屋にお住まいの識者のアドバイスもあって1/80(日本のHO)スケールで図書館列車をモデル化しました。この車両を「嵯峨野鉄道図書館ジオラマ」のような60x90センチの小型レール・レイアウトで走らせることは出来ません。しかし以前の1/150(N)スケールの「あたご2号」に比べると、そのコンセプト表現の優位性ははっきりしました。
 今後も「未来の図書館」:地域全体・全域的図書館モデルはNスケールで行い、特別な図書館列車はHO以上のスケールでモデル化するのが妥当と分かりました。
Bimg_2872
↑ダブルデッカー、二階部分の詳細
 (軽読書コーナーと、オープンカフェ)

 図書館には多種の図書や雑誌、新聞を手にとって見る自由さが必要です。そして利用者がわざわざそこにでかけてくるだけの快適さ、異空間、特別な仕組みが必要です。図書館とは古典的な紳士淑女がスーツカミシモを着けて訪れても、一方でカジュアルな、精神的な解放性がそこにあってもよいわけです。手軽なオープンカフェなどは必須の設備と思いました。図書を借りてすぐに帰る図書館よりも、そこに居座る図書館こそが、今後必要だと考えたわけです。

 走りながら読書できる静粛性や安定性と、景色のよい渓谷の支線で停車して読書するだけの開放性を兼ね備えた図書館列車を想定したならば、以上のような愛宕号「二階建てトロッコ図書館列車」が一つのプロトタイプになると考えました。

あたご2号(HO):編成と模型比較(その0)
あたご2号(HO):編成と模型比較(その1)
あたご2号:上から見る(その0)
あたご2号:上から見る(その1)
あたご2号:一階のオレンジコーナー
あたご2号:一階の書庫

追記:屋根
 二階部分に覆いが無く雨天走行が可能かどうかの問題ですが、これは先回のNスケール愛宕号でも考え込みました。今回は別途透明なキャノピーのようなものも試作しましたが、使いませんでした。
 この図書館列車が雨天実走するときは、両側の窓から巻き上げる方式の天井を付けるか、進行方向左右の天井にスライド式天井を架設するなど、いくつか方法があると考えます。
 この課題は将来Gスケールというさらに大型の車両を自作する機会があれば、考えてみます。

追記:座席数
 有効座席数は、二階の軽読書室が12席、オープンカフェが16席、合計28席。
 一階の重読書室が16席、対面レファレンスコーナーが4席、合計20席。
 以上から乗車定員は48席となります。
 他には司書車掌個室が2席、調理関係座席が2席、合計4席です。

参考
1. (雑誌) ダブルデッカー(のりもの倶楽部、no12, pp4-11)2003年夏号
2. (インターネット)HO情報室(TOMIX社)113系横須賀色、vol4

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2009年2月 3日 (火)

小説葛野記:2009/02/03(火)DD51(TOMIX) 快走の雄叫び

 昨日は気持ちが定まらぬママ午後7時前に葛野を退出した。結局12時間滞在したことになる。木幡でKATO客車の室内灯は正常に点灯したが、今朝起床4時、最初の考えは「DE10はギヤセット交換だな、しばらく諦めよう。しかしDD51はうんともすんとも言わぬ、治す!」だった。昨日は採点の山場を越えたので今朝は少しく人並みの出勤とおもっておったが、矢も楯もたまらず、やむにやまれず、またまた午前7時出勤となった。葛野は警備の人しかいなかった。

↓DD51(TOMIX)の台車を外したところ
Mu065

 要するにわが嵯峨野鉄道図書館、全領域図書館は、事実はEH500やED79-100という電気機関車が主要動力車なのだが、それはどだい無理なことなのだ。深山幽谷や島にはなばなしく架線を張って電気機関車が走るのは、よほどへりくつをかんがえないと、一笑に付される(笑)。少なくとも2階建てトロッコ図書館列車を公開するには、古風なディーゼルないし、スチームでないと格好がつかない。(事実は、邪馬台国周遊図書館ジオラマを、2階建てMax新幹線が走っておるが)

 そこで。今朝木幡で余も考えた。静粛走行TOMIXのDD51は単純に集電不良にすぎぬ。なんとしても治す、とな。
 前口上はこれくらいにして、結果は見事、たった5分、珈琲飲みながら修理完了。かえって写真をMuBlogにセットしたり、駄文を書く時間が長くなった。一発修理5分、雄叫び30秒、駄文に1時間。これが現実なのだ。

↓台車の集電シュー頂上に銀色のハンダ
Mu066

 写真を見れば分かるように、台車の頂上にそれぞれ2箇所ずつ銀色に光るところがある。これは集電シューの先端にハンダを付けた所である。勿論、このあとで台車をボディにはめ込むときは、このハンダ山の頂上をニッパーで切りそろえ、ボディの集電板(注:先頭写真の左右の丸い凹みの奥に集電板がある)に手頃に密着するようにしたわけだが。
 原因は、集電シューではなくて、集電板にあった。なんらかの事情で集電板が凹んでしまって、台車の集電シューと密着しなかったわけだ。それ故に、最初はカックンカックンとなって、台車を強く押し込むたびに集電板が凹んで、ますます通電しなくなった。
 最初は、集電板を外して曲げるつもりで先頭写真のように分解しだしたのだが、実はこのダイキャスト製のボディの組み立ては精密なので、力のいれ具合や引っかけのポイントを熟知していないと、壊れる。組み立て直しも素人の余だと数時間かかる。だから、それは止めて、台車側から攻めたわけじゃ。

 うははは。
 実に、実にスムーズに静かに力強く走るではないか!
 まあ当たり前だ。Nゲージは電気で動いておる。そこが不都合だと、登る坂も脱線する。
 これで、修理センターの手間を省いてあげた。しかし、ここまでいじりまわしてくると愛着がわいて、今後このDD51が余の手から他の本職技術者に渡ることはないじゃろう。

 というわけで、さて今日はこれまたえんえんと新図書館法にのっとった新たな科目内容の説明文書に身命をけずる日々が続く。しばらくは、瞬間5分修理もできぬじゃろう(ホントかな?)。

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2008年9月20日 (土)

岩風呂温泉図書館列車・嵐山号

承前:嵯峨野鉄道図書館ジオラマ

Muimg_4556
(嵯峨野鉄道図書館・本館前の嵐山号:岩風呂温泉図書館列車)

はじめに
 今年(2008)の春までは、ひたすら、新しい図書館コンセプトとして、二階建てトロッコ図書館列車を考えてきました。すでに初号機・愛宕号はお披露目し、二号機(長期研究会議用・大型書庫付き列車)もほぼ完成に近づいています。これら、および今後製作する改造列車の殆どは、この「二階建てトロッコ図書館列車」になる予定です。

 しかしその間、ふと「窮屈さ」も味わい出しました。どれほど眺望のよい二階テラス、密室の地下読書室、そして開放的なトロッコタイプの読書室を設けても、頭を使う「読書」にかわりはありません。船と同じく逃げ場のない、軽い拘束感があればこそ、おたのしみ読書・研究空間として図書館列車が優れていても、それだけでは頭が充血してしまいます。

 そこで。
 今回は、岩風呂温泉図書館列車・嵐山号を考案し、モデルを製作しました。例によって「叩きモデラー」のすることなので、整形、色づけ、細部とまったく不首尾なものではありますが、これをもって想念(capricornus妄想とも~言うらしい)の一端は伝わることと考えました。もちろん、いつか別の温泉列車を作るときは、もっと技術が伸びているはずです(*^-^)。

 どうか、四季折々、嵯峨野鉄道図書館に来館・来車された時は、時間があれば、嵐山号の岩風呂に浸かり、保津川の渓流をながめ、次の「お楽しみ読書・研究」の糧として楽しんでください。お待ちしております。

嵐山号の細部

岩風呂温泉図書館列車・嵐山号(0)
岩風呂温泉図書館列車・嵐山号(1)
岩風呂温泉図書館列車・嵐山号(2)

 写真を御覧ください。
 嵐山号は先頭の気動車に給湯タンクや諸設備を積んでいます。そして2号車が岩風呂温泉車になっています。写真では、2号車の左右を脱衣室としていましたが、気動車寄りの車室は温泉管理者のスペースとしたほうが良いですね。
 悩んだのは、男女混浴温泉にするかどうかでした。
 しかし今の考えでは、「たとえ水着でも、スケスケの鉄道に乗るのは恥ずかしい」という声を反映し、時間制にするつもりです。
 (スケスケ湯船が不評の場合は、濃色で隠すか、スダレをぶら下げるなどの改善をしましょう)
 3号車はいまのところ、大歩危トロッコ号をそのまま組み込んでいます。二階建てトロッコの愛宕号を組み込むことも可能ですが、気動車の牽引力がぎりぎりなので、実走させるには、15m級の三両編成が頃合いです。

嵯峨野鉄道図書館ジオラマ世界

岩風呂温泉図書館列車・嵐山号(3)
 今春に改造した左側の愛宕号が、愛宕山上図書館分館に向かっています。右側の嵐山号は、嵯峨野鉄道図書館本館を出発したところです。
 今のところ、未来の図書館列車を直截に表現したモデルはこの2編成(愛宕号、嵐山号)ですが、嵯峨野鉄道図書館ジオラマにそれぞれを組み込みますと、相乗効果があって、私のイメージはますます堅固に強固にふくれあがって来ました。
 次は、専門領域の長期滞在図書館列車として、会議室や大型書庫まで揃えた図書館列車をお披露目します。そういう「頭が充血する」列車にこそ、今回の岩風呂温泉車が似合うのだと思います。

附録:岩風呂温泉図書館列車の製作(Nゲージ列車改造)
☆嵐山1号:箱根登山鉄道の非動力車(MODEMO)
 愛惜する同車体が激しい転覆脱線(1m下に落下激突)で、天井がひび割れしました。その天井部を切り取り、そこにタンクを乗せました。動力部はTOMIXの15m級モーターです。

☆嵐山2号:高松琴平電車・トミーテック社の「鉄道コレクション
 鉄道コレクションという、安価で珍しいコレクションがあります。500円と少しで、確か、中身はわからないタイプでした。何気なく手にして、しばらく眺めていました。
 レトロな、高松琴平電車でした。
 原型を保持したかったのですが、そこに同社の台車をはめ込み、重りをのせて、岩風呂温泉図書館に改造することにしたのです。
 工夫は、中の透明窓枠が箱形のプラスティックだったのですが、これを天井を底にして、つまり逆様にセットし直しました。もちろん、天井は切り取りました。
 大学キャンパスをぶらぶら歩いて、適当な小石を拾い、それを水洗いし乾燥させて、中に入れました。
 上から、セメダインをぼとぼとと流し込み、一昼夜おいて、スケスケ湯船が完成しました。

★反省点
 塗装は吹きつけでしました。最悪ですねぇ(笑)。叩きモデラーの面目躍如。これ以上に下手には塗れませんなぁ。あとでクリア(透明)吹きつけでツヤ消しするつもりでしたが、如何にも「下手」姿が愛しくなり、その工程も省きました。
 切り出した部分は一応ヤスリをかけましたが、技術不足。でこぼこしています。
 水表現のセメダインは簡単なので気に入っていますが、どうやっても白濁してしまいます。これは融けたのじゃなくて、もともとこういう透明度なのでしょう。今回は、白濁温泉として、納得しておきました。
 本当はもっと透明感があって、岩が見えるようにしたかったのです。
 フィギュア(人形)を中に浸けることも考えましたが、さすがに裸人形はさがしても無かったです。もしかしたら、海水浴場のシーナリー用があるかも知れませんが、そうすると、タオルとかいろいろ面倒なので、止めました。 

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