小説木幡記:伏見港の大倉記念館通り
伏見港に月桂冠の大倉記念館がある。昔の造り酒屋から巨大な酒造メーカーになった、創業1637年という長い歴史がつまった所だ。
余はかねがね、この記念館前の南北道路を「大倉記念館通り」と勝手に名付けてきた。南の京阪中書島駅から北の大手筋通りまでの、電車で一駅の距離感覚が肌になじんでいる。通りの界隈(油掛町)には、これまで宴と言えば何十度も集ってきた「鳥せい」、「月の蔵人」が道を挟んで立ち並び、二店とも平日の午後1時でさえ満席の盛況だった。
鳥せいは名の通り鳥料理が最高だが、ここの生麩田楽とか、アスパラガスや貝柱の串ものもこたえられない。釜の鳥飯はさすがに絶品だ。また、月の蔵人は豆腐扱いが上手で、生麩や手造りざる豆富に、三種類の塩をつけて戴くのがなかなかに渋い(笑)。この二店は、昔の「葛野図書倶楽部2001」でよく使ったし、昨年も2012年SA諸君と訪ねた。
さて、残る「べんがらや」と「藤丸」はまだ一度ものぞいていない。開店は夕方の五時からになっていた。べんがらやのロールキャベツは実に興味深いし、藤丸の店先にたつとつい入りたくなった。いつか、風雪関東浪人が来たら案内してみよう、ぞ。
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いずれも京都伏見の銘酒関連の店として、大倉記念館通りに並んで立っている。月の蔵人は月桂冠で、鳥せいも神聖酒造蔵元なのだ。ここは原酒サーバーも店内中央に控えている。酒好きにはたまらぬだろう。酒池鳥林宴地じゃろうな。
追伸
葛野図書倶楽部2001ではもう一店、黄桜(カッパカントリー)をよく使ってきた。これは同じ界隈で、鳥せいのすぐ西にある。
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