小説木幡記:鎌倉のバレンシアと小林秀雄
旧・小林秀雄邸近くのカフェ・レストラン
写真でみると看板に1974とあるから、これは昭和49年のことだ。余はまだ20代後半だった。古い話だ。2013年の現在からさかのぼること、40年も昔のことになる~。
ネットを探してみると、「CAFE RESTAURANT Valencia」があって、客とオーナとの談話が載っていた。北鎌倉と鎌倉の中間にあって、往時スペイン料理店を開くのは相当な冒険だったようだ。しかしよく読んでみるとその二つの要素が、お店を現在に続けている因ともなったようだ。レストラン開店当時は駐車場だった隣地が今は「神奈川県立近代美術館別館」になっていた。これは1984年のことだ。
さて。
鎌倉でカフェ・レストラン探訪を行ったのではない。同行のふうてんさんが、この近くの故・小林秀雄邸のあたりを散策し、おりよくタクシーを降りた小林氏を見かけたという、青春断端話を再現する故地探訪だったのだ。同行者のふうてんさんにも、Joさんにも、余はあまり話さなかったが、「実は、評論家小林秀雄には、吉本隆明以上の影響をうけておったのです」というナイショ話をこのときも、余は口にしなかった。青春とは、なにかしら気恥ずかしいものです! だからこそ、鎌倉で小林秀雄をみかけたふうてんさんの青春が羨ましかった(笑)。
で、考証となるが。
稀代の文藝・文明評論家小林秀雄は、明治35(1902)~昭和58(1983)と長命の方だった。鎌倉「雪ノ下」への転居時期さえ確定すれば、小林氏の目にカフェ・レストラン「Valencia」が写っていたかが分かってくる。と、それを確認するのはお楽しみとしてとっておこう。小林氏の晩年のエッセイに自宅近くのカフェがあげられていたかを探るには、ちょっと時間もかかる。またひまなおりにでも~。
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↑近代美術館別館
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