小説木幡記:夏の鎌倉文学館
鎌倉文学館
鎌倉文学館として今ある建物は、資料館や博物館として建てられたものではなく、加賀百万石の前田さんが明治維新後に東京に移られて、その地からみた「鎌倉の別業」だったのだろう。公式サイト情報では、現在ある「洋館」仕立ては昭和11年に完成したとのこと。
公共に開かれた図書館は一般に市民の生涯学習(楽しみも含む)のためにある。鎌倉文学館のような施設は、一定の分野・目的を定めた専門性の高い博物館の一種である。同じ生涯学習を基盤とするが、理屈の上では異なったものである。余がこの文学館に興味を持ったのは三島由紀夫『豊饒の海』その第一巻『春の雪』に、この館をモデルとした節があり、ずっと気になっていたからだ。つまり図書館を住処とする「小説」を読んで、現場を保存した「文学館」を訪れた、ということだ。
ともあれ、鎌倉文学館は近代文学の愛好者や、それを学ぶ人には著名だろうが、残念ながら鎌倉は関東圏以外の人には訪ねにくい所だ。しかし近頃は、『ビブリオ古書堂の事件手帳/三上延』(この2月には第四巻も刊行するとのこと)などで鎌倉も萌えているようなので、お近くを通りすがりに是非訪ねることをお奨めする。
参考
鎌倉文学館の歴史(公式サイト)
真夏の横浜・鎌倉散策記録(JoBlog)
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