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2013年2月18日 (月)

NHK八重の桜(07)将軍の首:足利将軍は逆賊なのか

承前:NHK八重の桜(06)会津の決意:京都守護職拝命
NHK大河ドラマ公式あらすじ

 いささかおお時代なことだが、足利将軍は逆賊ではなく、逆賊とは鎌倉北条氏を指す、という話を思い出しながらドラマを観た。そしてまたスジからいうと、徳川幕府は形式的には「源」つまり、源氏の流れであり、松平容保も詳細に名乗るなら「源(みなもとの)」となる。武家にとって源家の流れは圧倒的な強さをもたらすわけだ。征夷大将軍の家柄である。もちろん足利将軍も、三代義満のように自ら天皇になろうとした将軍もいたが、尊皇であったのは事実だ。特に初代の足利尊氏の天皇に対する気配りは篤かった。
 これにくらべて室町幕府の前の鎌倉幕府は、初代は源頼朝が大将軍であったが、やがて屋台骨の一切合切は北条氏の手中に入ってしまう。極端に言うと源家征夷大将軍とは無縁の幕府であって、北条氏のやりようも逆賊といって間違いではない。特に、1221年の承久変では後鳥羽院を隠岐島に生涯遠島の刑に処し、解除しなかった。

 というわけで、容保(かたもり)は、不逞の輩が足利三代の木造首をさらした行為に対して、「足利将軍は朝廷から征夷大将軍を任じられた将軍。それがなぜ逆賊なのか?」と、不思議がっていた。実はドラマの展開として、それを自白した家臣が「実は、すでに世上は尊皇攘夷ではなく、倒幕に傾いています」と、容保に告げた。要するに木造生首は、現・将軍家への面当てだったわけだ。

 容保は当初、「天誅」などと世上を騒がす争乱の原因が尊皇攘夷なれば、まだ話し合う余地があると考えていた。しかし、目的が尊皇でもない攘夷でもない、単純に徳川政権をたたき壊すための、政治的実質的なテロと知ったとき、容保は怒った。すなわち、会津藩の総力をかけて京都を武力鎮圧し、治安を回復すると、方針を変えたわけだ。そこに次週の、「新選組」が生まれてくる。

 このころの八重にはまだ都の天皇・朝廷(公卿)・将軍家・外様諸藩・脱藩浪士たちの複雑なやりとりは想像さえ出来なかったようだ。

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