小説木幡記:DE10・嵯峨野トロッコ列車
DE10 1104
日頃見慣れている鉄道列車といえば、京阪電車の普通や特急、JR奈良線の普通や急行、ときどき近鉄特急や嵐電の車両、ごくまれに新幹線。と、数え上げてみると実に少ない。そういう列車はホームで立って眺めているまもなくドアが開き、中に入ってしまうと「どんな電車に乗ったのか?」と、思い出せないほど日常風景に溶けている。そういえば、京都市の地下鉄も時々乗るが、この列車の全貌を意識したことがない、……。
鉄路を走る列車に乗ることと、眺めることとは、内からと、外からと、まるで異なった視界の話だと、今朝はっきり意識した。電車、汽車好きの余も日頃は列車の外観を気にすることもなく、ドアが開くといそいそと空いた席を探し、そこに座れば、目を閉じてうつらうつらとしてしまう。いろいろな思いの人もおるだろうが、余の場合は京阪電車やJR奈良線への信頼度は非常に高い。特に前者の場合、遅れるとか、脱線するとか、変質者に出会うとか言う危険を味わったことがないので、じっくり居眠りできる。
写真の動力車はトロッコ嵯峨駅とトロッコ亀岡駅とを結ぶ観光列車だ。めったに眺めることも乗ることもないが、気持ちの上では身近に感じている。なにかしら理想のローカル観光列車と考えているからだ。こういう観光列車が比較的人気があって、それが開業以来20年もずっと続いているのがうれしい。
そこでDE10という動力車記号の意味だが。
Dはディーゼル機関車のD。1350馬力ほどあって、軽油が燃料となる。
Eは、車軸の数で、5軸ある。一般に前進方向に2軸、逆に3軸ある。車輪は10輪になる。
10は型番だろう。似たようなシリーズの中での新旧を表す程度としか、知らぬ。
嵯峨野観光列車では、一両編成だけなので、トロッコ亀岡方面へ行く時はDE10が後ろからトロッコ列車を押し出す。運転台は先頭になるトロッコ車両にも付いているのでうまく行く(笑)。亀岡からトロッコ嵯峨駅に向かうときは、DE10の2軸側が先頭になって走る。撮影したときは、女性の運転士の姿が見えた。
宇治にも、こういう観光列車が走ればよいのだが。
参考
嵯峨野観光列車
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