NHK平清盛(40)はかなき歌:梁塵秘抄のこころ
承前:NHK平清盛(37)殿下乗合事件:棟梁と日宋貿易
NHK大河ドラマ公式あらすじ
50歳になられた後白河法皇をみていて、治天の君という立場とその性格を想像し、感慨にふけりました。ドラマでは、政治家というよりも芸術・芸能好きの法皇に光をあてています。
今は平家一門、そしてやがて木曾義仲、源義経、ついには源頼朝を上手にあやつり、大天狗といわれるほどの権謀術数に長けた方とお見受けしてきましたが、……。今夜の、后・滋子との仲むつましさや、梁塵秘抄のこころを披瀝するお姿との落差がありました。
梁塵秘抄の言葉の意味は、「梁」が柱と柱の上におかれた横木(建物の天井裏にあると思えばよいが)で、そこに積もった埃でさえ揺り動かされるほどの今様歌についての秘伝、……。これを編纂されたのが(手も出し、指示もしたはずです)後白河法皇。滋子の義兄である清盛の業績にくらべて、今様(現代風の流行歌)みたいな吹けば飛ぶようなチリアクタを集めても、無意味と思えようが、きちんと整理しておかないと、すぐに消えてしまう。口ずさめば心の鬱が消える大切な今様を、「私:後白河法皇」はせっせと整理しているのだよ、と后に語りかけていました。
隠居した院、法皇さまだから、それでよいと思いました。
今夜は、その滋子が35歳で亡くなりました。清盛の奥さん時子の妹が滋子でした。その滋子を長年にわたって後白河法皇は寵愛してきたわけです。滋子は聡明な女性でしたから、法皇と清盛との間を常に取り持ってきました。
その媒介が、今夜ドラマで亡くなりました。
以後、清盛・平氏一門と後白河法皇との関係はぬきさしならぬものへと変わっていきます。
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