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2012年9月20日 (木)

瀧原宮(2)浄めと参道

承前:瀧原宮(1)JR滝原駅

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天然の御手洗(みたらし)場

 内宮・五十鈴川にある御手洗と結構は似ているが、瀧原宮のそれは小振りで原始的な雰囲気がある。神道史の変遷を学ばねば正確には言えないが、一般に「古神道」の雰囲気が極めて、実に濃厚だった。出雲とは異なり、また御本家・正宮とも異なり、皇大神宮別宮であるにもかかわらず、いやあえて別宮として残った故は、この気分の濃密さ、おそらく岩清水が間近に流れ、深い森の中に鎮まる地があったからであろう。
 勿論人影も少ない。
 水で手や口を漱ぎ、川や滝で禊ぎして神さんの前にでる。清浄な泉や川がゆたかで、森があるから成り立つ式だと思った。砂漠なら清潔な砂とオアシスがそれに代わっても良い。ここ伊勢の度会郡(わたらいぐん)大宮町→大紀町、には古来清浄な森と水と磐が豊かだった。よって、瀧原宮が座しそれが今に続いていると思った。

 写真を撮る前に川水で手や口を浄めたが、たしかに心身全体に微妙な感応があった。おそらくは森に囲まれた聖域の結界を通す手続きがこうした浄めの式なのだろう。なるほどと、納得できた。

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巨大な神木

 日本は世界遺産の自然遺産として樹齢千年を越える屋久杉豊かな屋久島や、ブナ天然林に覆われた白神山地、それに日光東照宮の参道・杉など、自然、植林ともに豊かな樹木がある。どれがというのではなくて、基本的に樹齢豊かな巨木に守られた寺社仏閣、村々が多い。
 あまりに感動が深かったので、神職の方に神杉ですかとうかがったら、ブナも含まれ多様ですと答えがあった。それに関する図書をご覧に入れましょうかと、わざわざ丁寧な申し出があったが、私は植物に疎く、いえいえあとで考えて見ます、とお断りした。

 そう。
 何も分からなくても、この巨大な神木を見上げていると頭の中がスーンとしてきた。澄んだとかぼやけたとかのことではなくて、神木だけが頭の中にある、とそんな印象だった。ともかく、ものすごい木で、参道は丁寧に神木を迂回し、神木のたけだけ道が細くなり、そのまま脇を通り抜けていくことになっていた。

 これまでの長年月、これだけは伐採できなかっただろう。 
 たとえば、Googleなどの写真で上空から眺めてみれば、この神木の森だけが回りからくっきりと浮き上がって見えた。さすがに聖域、というよりも地元の人達や内宮が歴代この別宮を大切にしてきた証かもしれない。

 長年月で思い出したが、神職の方が気さくだったので、何のきなしに話しかけてみた。
 「倭媛(やまとひめ)さんはなぜ瀧原でとどまらず、伊勢市まで降りられたのでしょうね。この地をアマテラスさんの本殿にしても良かったと思いますが?」
 と、信仰心の厚いひとに、このセリフは乱暴とはおもったが、~ちゃんと答えてくださった。
 「そうですね。こちらは山の幸は豊かでも、海の幸によわいですから、アマテラスさんをきちんとお祀りするには、やはり海と山の幸のある伊勢市がよかったのでしょう」と。
 私は納得した。

 と、そこで調子に乗ってしまって、私は次なる質問というか、話しかけをしてしまった。
 「ところで、倭媛さんがこちらに鏡を持って参られたのは、西暦何世紀ころの事でしょうかね?」
 「……」と、首をかしげられた。
 「景行天皇さんとは兄妹だから3世紀末のころでしょうか?」と、私は独り言をつぶやいた。
すると、
 「ええ、ええ。もっと古い、前世紀600年以上も昔のことでしょう」
 私は、一瞬天を仰いだが、数秒後に理解できた。
 「ああ、そうでした。皇紀2600年が戦前のことだったし、~」
 と、神職さんと私はなんとなく、互いに破顔した。

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