NHK平清盛(37)殿下乗合事件:棟梁と日宋貿易
承前:NHK平清盛(36)巨人の影:重盛と後白河法皇
NHK大河ドラマ公式あらすじ
1.後白河法皇が宋人と会ったこと
ドラマでは、好奇心旺盛な法皇が清盛の招きに応じて福原にでむき、宋人に面会したことを、都の公卿達が嘆いている様子を描いていました。それはそれで面白いのですが、おもいだすだけで、大化の改新の名場面(笑)だと、645年乙巳の変では、三韓(新羅、百済、高句麗)の関係者が飛鳥板葺宮に来朝したおり、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ:後の天智天皇)の実母・皇極天皇が式にでられたのではなかったのかな?
そのころは上皇とか法皇は居なかったはずですが、天皇が外国人の前に出るのは異例とは思えません。今夜のドラマでの有職故実に反するとかいう公卿たちのさえずりがよく理解できなかったです。
いつもいうように、桓武天皇のお母さんは、高野新笠さんで百済人。もしかしたら平安時代は菅原道真さんが遣唐使を廃止してからは、朝廷の中で外つ国(とつくに)の人に出会うのは希になったのでしょうか?
いずれにしても、平重盛が深夜勉強していたように、歴史はきちんと勉強しておかないと国政を動かすことは難しいでしょうね。我が国の教育で、日本史や東洋史や西洋史を、安直に暗記物にしてしまって上手に学べない仕組みがあるのは「遺憾(爆)」です。
2.棟梁
棟梁重盛は今夜、ものすごく悩んでいました。息子が摂政にいたぶられたことで、気質的に理を通す(摂政の輿を前にしたなら、平氏一門でも待機する)ことと、一門の感情面の暴発を抑えることの、板挟みに遭ったわけです。
ドラマでは、一門の面子を保つための処置を、清盛は時忠に任せます。時忠は、棟梁重盛の許可無く、ひそかに郎党達による暴漢を組織して、摂政藤原基房の輿を襲撃します。
時代は異なりますので現代に適用できることとできないこととがありますが、……。
私は、人は獣(けだもの)←人→神仏の間を右往左往するわけですから、それを束にしてまとめていくには、多重人格者にならないとまともな統治は出来ないと考えています。歴史的に有職故実とか法がその悩みを代行してくれますが、限界はあります。一番よい統治者というのは、マシンであり同時に慈母慈父であることでしょう。で、なにをするかというと、秩序を保ち、飢えをなくし、自律した国家を運営することでしょう。
となると。
ドラマとして、清盛の描き方は成熟していて、重盛や時忠や、まして宗盛らはまだまだ未完成なのだと思いました。どちらかに偏っていますから、~。
3.京本正樹や伊豆の頼朝や
昔、大河ドラマが夏を過ぎた頃に、ガクト・上杉謙信がさっそうと登場したのが、今でも昨日のことのように目に焼き付いております。
さて、この9月、京本正樹・奥州の雄・藤原秀衡が登場しました。いやしかし、秀衡(ひでひら)が京本だと、九郎義経との父子関係がなにやら妖しく想像してしまってぇ~まあ、良いでしょう。実に楽しみです。
~
一方蛭ガ小島の頼朝さんのここ数回の憔悴ぶりは実に上手ですね。ともあれ杏・政子との縁が早く深まることを期待しております。
追伸
来週もたのしみですが、平家名物・都の禿(かむろ)が登場しました。なかなかよいデザイン、雰囲気ですなぁ。
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