NHK平清盛(36)巨人の影:重盛と後白河法皇
承前:NHK平清盛(35)わが都、福原:波乱の頼盛
NHK大河ドラマ公式あらすじ
清盛だけのドラマなら痛快なところがたくさんありますが、すでに初夏には清盛が位人臣を極めていたので、どうしても比重が後継者にかかってきます。
重盛です。
ところが重盛は、親父・清盛の巨大さと、さらに後白河法皇の異様な煥発さに挟まって、その苦悩はどんどん深まっていきます。
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後白河法皇の近臣中の近臣・藤原成親(なりちか:吉沢悠)の妹の経子(つねこ:高橋愛)が重盛の奥さんですから、法皇や成親の行動によっては、重盛は父親清盛や平家一門との間に、なにかと難しい問題が生じるわけです。そしてドラマでは、成親のセリフにあったように重盛は「小物」として描かれております。清盛にすれば純粋なところがあって、武家の統領としては難しいという評価がありますが、貴族たちからは、まだまだ小物扱いで、平家の後継者としては十分なにらみをきかせていないわけです。
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後日後世の逸話として、重盛の悩みは孝行と忠義に分裂した苦しみとして残っていますが、巨大な父親の言うとおりすれば孝行は果たせるが、それは後白河法皇への忠義と、分裂するという考え方ですね。
このあたりになると現代人では理解しがたくなる面も多いです。
南都仏教から逃れて平城京をさり、長岡京に移り、さらに平安京に都をさだめて、今度は比叡山延暦寺と園城寺によって、朝廷はいろいろ制約をうけることになりました。それと藤原家自体の内紛、~そういうなかで武力を持つ平氏がどんな風に生きていくかの一例が、今夜の重盛の苦渋だったわけです。
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ただ。
武力を持った者はそれを何に使うのかを把握すれば、泰然としているのが良さそうです。
抑止力に尽きます。
重盛を小物に描く方法として、六波羅に兵があつまった理由を後白河法皇や摂関家からさまざまにいわれますが、重盛は清盛が言ったように「いえいえ、訓練です」としらーと、言えばよかったのに、と思いました(笑)。
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