NHK平清盛(29)滋子の婚礼:漆黒直毛と天然パーマ
承前:NHK平清盛(28)友の子、友の妻:清盛が知らなかった未来
NHK大河ドラマ公式あらすじ
時代によって美への感覚基準が異なる。清盛の時代の女性は、髪がひたすら長いのを佳とした。洗髪も大変だから、洗髪する環境を持てるだけの女性が、日常に不自由なほどの黒い直毛を背中に流すのが、最高の美女だったらしい。
清盛の奥さんの時子の妹が滋子で、この方が天然パーマだったというのが今夜のドラマの設定で、大切なところだ。どれほど顔立ちがすぐれていても、くるくるテンパは好まれなかった(のかもしれない)。
今様狂いの酒飲み上皇が、ふとした弾みに巻き髪滋子を見初めてしまった、そして滋子もなにかしら鬱屈しきった後白河上皇を気に入ってしまった~と。それだけで物語になるわけだが、男女の仲はわかりにくい。いくつかみてみたが、史実として後白河上皇は平滋子と結婚し、息子が生まれて、後日に「高倉天皇」になった。滋子と上皇の仲はよかったようだ。
滋子が上皇の子を宿したときの清盛の怒りようがよかった。「あの方(後白河上皇)とは、つかず離れずの関係が一番よかったのにぃ~」。清盛にしてみれば、親戚になることで、かえって上皇の横やりが強くなるとわかっていたのだろう。これまでの上皇のドラマ造形は、ともかくすね者というか天の邪鬼というか、素直でないのが後白河上皇だった。そんな人とお近づきが強すぎると、なにもかもが捻れて、やりにくくてしょうがない、というのが清盛の本音だったのだろう。
追伸
清盛が美福門院の前で、宋銭を流通させ貨幣経済をすすめることが、国や民を潤すと言っていた。その理屈はおぼろげに分かるのだが、さて、銅銭を作るのはその頃の日本では、難しかったのだろうか? おそらく銅の産出が思うに任せない状態だったのだろう。以前、万葉文化館で富本銭(ふほんせん)のことを知ったので、当然、飛鳥、藤原京時代にも銭はあった~なかなか難しい(笑)。
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