NHK平清盛(23)叔父を斬る:死罪のこと
承前:NHK平清盛(22)勝利の代償:頼長も信西も~
NHK大河ドラマ公式あらすじ
昔は律令で死罪があったが、仏教の隆盛とともに運用されなくなったようだ。特に貴族など上流階級にたいしては重罪であっても流罪が実質的最高刑であった。とはいっても官位剥奪財産没収を伴うから重い科(とが)はあったといえる。
さて。
今夜の見どころは清盛が叔父平忠正およびその息子たち4名の死罪を執行する役回りと、源義朝が父為義と弟たちを斬殺する役回りに立ち、その逡巡だった。
良く描かれていたが、実際なら、刑死する者が無駄に考える時間を持つまもなく、準備途中でも打ち首するのが本当の「なさけ」かもしれない。江戸時代なら腹に刀を当てる直前に首が飛ぶようだ。しかしそこはドラマだから。
一族肉親間での死刑執行は残酷陰惨極まりない史実だとは思うが、戦争の幕引きとしては妥当だと信西は考え、後白河天皇もそれでよしとしたのだろう。清盛はさすがに知恵熱をだして寝込んでしまったが、影のように西行が供養していたのが象徴的だった。
他方、義朝はついに伝家宝刀トモキリを使えず、部下の鎌田正清が代わって執行したことになっている。場所は船岡山とのこと。この鎌田は将来、重要な役回りをもつことになる。
「死」に関してはこのごろますます公平感を味わうようになったが、いまよりももっと死を眼前にして生きていた武士階級にとっては、身近なものでありながら、我が身と一門の繁栄成就と引き替えにできることだったのかどうか、難しい所だな。
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↑船岡山
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