小説木幡記:擬宝珠(ぎぼし)と柳
↓宇治橋の擬宝珠と柳
京阪電車の宇治駅に降り立つ人で、地元民以外なら、大抵は宇治橋の擬宝珠を眺める。というようりも、擬宝珠や柳を通して宇治川の上流を眼にする。目立つところだから、この配置をデザインした人は苦労したのではなかろうか。その甲斐あってか、余は必ずこの前で立ち止まる。いや、毎回高札を読むわけではなく、なんとなく柳を眺めてしまう。「……、っさ、宇治についたぞ」というかけ声をかける、そうしている。
(参考までにMuBlogの2005年5月記事に参照を入れておく)
さてここで行き先は三方に別れる。一番左だと源氏物語ミュージアムや、お茶や甘味の有名茶店にたどり着く。すぐ左というか真ん中だと、団子和菓子や蕎麦やイタリアンや、宇治神社、宇治上神社、桜名所(えしんいん)や、ずっと歩けば天ヶ瀬ダムまで通じている。そして右に宇治橋を渡れば、平等院参道の店店や、宇治橋通りの商店街にたどりつく。と、そこかしこにお茶で人々を惹きつける沢山のお店がある(たとえば、中村藤吉本店)。
さて。この日の余はどちらへ行ったか。
その日の気分で、どちらへ行っても、また元に戻れるのが宇治のおもしろさだな。これは、嵐山・嵯峨野とも似通っておる。このおもしろさは、一度考えて見るのもよかろう。おそらく、歴史的に、誰かが周遊の道を付けたのだと、感じておる。
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