NHK平清盛(16)さらば父上:保元の乱前哨戦
承前:NHK平清盛(15)嵐の中の一門:兄弟
NHK大河ドラマ公式あらすじ
いちいち指摘はできないが、良くできたドラマだと感心している。
平忠盛の死の扱いは、気持ちが良かった。まだ元気なうちに一統を集め、清盛には唐皮の鎧、だれそれには愛用の弓、かれそれには~と、形見分けをし、最後に清盛の郎党、盛国と兎丸に「もっとも近いお前達が、次の棟梁を支えよ」と言い、清盛を忠盛亡き後の後継者と指定した。
そして、清盛は国司として安芸にでかけ、まどろんでいるとき、(追いついた)忠盛が、剱の手合わせをし、「清盛、強くなった」と言った後、姿を消した。清盛は残された剱を高く差し上げ、海に向かって雄叫びを発した。
~
と、忠盛の死の扱いは、嘆きも涙も見せず、淡々と終わった。
死の前に、忠盛と本妻宗子とが本当の心を通わせた場面が救いであった。そういえば、宗子(後の池禅尼:和久井映見)の、忠盛を支える横顔が美しかった。女優としても、こういう面立ちを見せるのは難しいことだが、名優と思った。
政争については。
美福門院(松雪泰子)さんの権謀術策に、千年の藤原摂関家が踊らされている様子がよくわかった。得子(なりこ)さんとしては病弱な息子の近衛天皇に無理難題をふっかける悪左府頼長の勢力を憎悪し、しかし慌てず、頼長の力を逆手にとって、摂関家を追い落とす策に手を付けだしたわけだ。
女子が恐ろしいという前に、摂関家は、悪左府が源氏を暴力装置として使いこなしたことが、命取りとなった。このあたりのことは、歴史の鑑として、典型として、よく知っておくべしだな。
めぐる因果が保元乱、そして三年後の平治乱を招き寄せていく。
いやはや、歴史って、たまらないおもしろさがありますなぁ。
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