NHK平清盛(14)家盛決起:千年の藤原家
承前:NHK平清盛(13)祇園闘乱事件:鳥羽法皇・圧巻
NHK大河ドラマ公式あらすじ
A:藤原家のお家芸:策略
今夜の悪左府(山本耕史)の手練手管をみていて、うーむとうなりました。いやはや若い男を掌(たなごころ)に乗せて、十重二十重に絹の戒めをかけて籠絡していくのですから、これぞ、鎌足、不比等さん以来の藤家千年の秘策と思いました。実は、この頃はまだ千年も経っていなかったのですが、奈良時代を経過してその後ずっと陰に陽に摂関家としての実力は保っておったわけです。おそらく昭和初期までは。
しかし悪左府頼長の美青年好みまで大河ドラマに出てくるとは~、ここでデコをぽんと叩いて、大河ドラマスタッフの根性に恐れ入りました。それにしても、公卿の生態がみてきたように描かれていて、手に汗握りましたよ(笑)。
ここでまとめてみると。
結束堅い敵側を戦わずして降ろす方法は、分断作戦が一番。要するに、自壊するように仕向ける方法。
1.官打(かんうち)
敵グループの対抗馬になりうる人物に、異様なまでの高位高官を授け、突出させる。
2.亀裂
このことで結束の堅い、兄弟仁義で結ばれたグループと言えども、対抗馬が突出する。
3.傀儡
タイミングを見て、対抗馬が本来のトップを追い落とすのを手助けし、その対抗馬をトップにして、操る。
この事例で史上有名なのは、後白河法皇と軍事天才源義経と、鎌倉幕府創設者源頼朝との関係。義経は頼朝に伺いを立てる前に、朝廷から官位を授かった。その後の兄弟破綻は誰でも知っている。以前の大河ドラマでは、義経と頼朝との結束を一番嫌ったのは、北条政子の実家だったとなる。司馬遼太郎さんの話にもよくある。
~
話が長くなるので手短に。
B:源平の違いを考えて見る
源平の雰囲気的性質は(検証したわけではないから、雰囲気)、一般に平家の方が兄弟仁義が堅いというか、一門の仲が良くて脳天気なほどに明るい。それに比べて源氏は、頼朝の性格もあったろうが、平氏に比べて少し暗い。結果的に源氏一門は、内部抗争、内ゲバが多くて自滅してしまう。実は中国史でも事例はあって、北方系侵略国家は肉親兄弟殺し合いをして、瞬く間に王朝が自壊していく。
~
と、今夜はそのAとBの二つのことを考えながら、ドラマを楽しんだ。
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