小説木幡記:キャンパスの春
日本庭園近くの桜は例年早いのだが、今年は本日30日、桜はまだだった。暖かいのだが、暖房を消すとひんやりし、窓を開けるとまだ冷たい。
バルコニーからテニスコートを眺めていると前の道をひっきりなしにガタゴトと手押し車が往復していた。明日が土曜で4月1日が日曜だから、早々と金曜日に荷物をうつしているのだと、わかった。また佐川急便トラックも入ってきたので、研究者が沢山の図書を運びこんでいるというのも、わかった。大抵は、人がガタゴトと手荷物を運んでいた。
しかし、キャンパス全体が小振りだから、比較的楽に移動できる。これが大規模大学だと、老いも若きも引っ越し業者の手を借りないと、キャンパス間が一時間もあるところでは、大変だと想像した。
余は葛野の早朝六時半からぼんやりしていた。
宿題や締め切りはいろいろあるのだが、さすがに3月も末になると、「もう、いいや!」と妙な達観というか悟ってしまって、なにも手を付けなくなった。しかし9時ころまでに一働きしたことは覚えているので、それでよかろう。
バルコニーからぼんやりと下を見ていると、浮き世だねぇと、しらずつぶやいておった。
~
明日も明後日も、明明後日も、物語をしっかり考えて、これからもまた考えて、キャンパスを眺めていよう。
春うらら~。
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