小説木幡記:不良読書人
京都も宇治も今日は雪だった。けれど雪国の雪ではなくて、ひらひらと宙をおどるような小雪なのだ。風が冷たく強くて、その風にあおられてなかなか地上に届かない、と油断していると、キャンパスの建物から建物に遷るだけでカーディガンが雪だらけになっていた。
今日の会議はひときわ長かった、と余が話したのは数分。あとはひたすらふむふむと拝聴しておった。だが、従前記してきたほど会議嫌いでもなくなってきた。なにかしら会議の喧噪がマッサージのように身体をほぐしてくれて、心地よい(笑)。
今日は午前中はずっと人事の方達と面談しておった。これもひたすら拝聴するだけの内容だった。ふむふむと聞いておった。なにかしら感無量だった。時代が変わり終わってまた始まる。人生やのう。そのあとひたすら部屋を整理し始めておった。また四月からゴミだらけになるのはわかっておっても、今このとき掃除して整理整頓しなくては、本当に駄目な人間になってしまうような恐怖に襲われたのだ。
午後の会議は長かったので、心地よさとは別に会議疲れもあったので、5時前後にキャンパスを出た。
ということで、今日の日記はお終い。
追伸
このごろ読書しておる。それも断片的。えいやっと開いた頁を数頁とか。最終章からよむとか。数冊を段落単位で交互に読むとか、……。なんだか、読書人として不良になって、ぐれてきたようだ。
昨夜は森博嗣さんの『喜嶋先生の静かな世界』をiPadで適当なところから読み返し引き込まれてきた。主人公のことが「ぼんやり、おっとりした、鬼太郎」と書いてあったところで、抱腹絶倒して、iPadがベッドからずり落ちたので、そのまま消灯もせずに眠ってしまった。
そのすぐあとの今朝に、昨年大評判になった「ビブリア古書堂の事件手帖/三上延」の1を読み出して、一気に3章まで順番に読み終わった。しかし今夜は『アバラット/クライブ・バーカー』の1をおしりから読んでみる、うけけけ。
何故こんな読書不良になったのかな、と思ったが、よく考えると一見軽くて実はずっしりと重そうな小説という点では共通点があるので、精神分析しなくても、これでよかろう。事件の支点は、この「軽そうで重い」にある、と読めた。
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