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2012年1月 8日 (日)

NHK平清盛(01)ふたりの父:白河法皇と平忠盛

承前:なし
NHK大河ドラマ公式あらすじ

 さっき見終わった。ふぅーっと息をはいたな。画面雰囲気が、龍馬伝を思い出した。白河法皇(伊東四朗)が相当な曲者と思った。メークも怪物じみて映え渡っていた。ずろんとしたお引きずりのような男性版打ち掛けを羽織って院の御所を動く姿はこれこそ皇家の一つの極と感じ入った。いや、白河法皇ひとりではなかった、……。
 そもそもは頼朝が平氏滅亡のしらせを、妻政子(杏あん)から聞くところからの回想シーンで始まるが、それにしてもこのような北条政子の造形を見たのは初めてだった。この気性なら愛する頼朝の浮気相手と赤子を住家ごと焼き尽くしたという伝説も腑に落ちる、それほどのオーラだった。さらに、今回で亡くなった盗賊「おぼろ」の異様さも、……。
 現代の映像美は、かくして私が若い頃にみた大駱駝艦とか唐十郎世界の臭うような異様さがいたく心の琴線に触れた。新しいカブキ者達が精緻なディジタルTVの画面に躍る、踊る。
 松山ケンイチ清盛がどうなのかはまだまだ分からないが、平安朝末期の豪奢とスラムと匂い香りと臭う腐臭とが入り交じって、「ああ、NHKも随分かわったきたな」と、心底嬉しくなった。

 来週が楽しみだ。

◇予習復習
1.海国記/服部真澄(新潮文庫、上下)
 以前読んで思ったのは、平氏と西国の海賊・水軍とは敵対関係ではなくて一体のもの、ということだった。海の国とは、漁撈だけでなく、貿易を意味する。当時の貿易は、大国・中国の宋(南宋)が相手で、九州博多や越前敦賀が交易の港として栄えた。宋との貿易は清盛の父、平忠盛時代から熱心だった。この服部さんの小説は博多や瀬戸内海、そして京の都が舞台になった、海から陸への絵巻であり、そこに清盛も生きた。

2.平清盛 (Gakken Mook)
 書店には沢山の「平清盛」関係図書コーナーがあった。その中でたまたま学研のものを入手した。俳優女優情報が少なかったからだ(笑)。イケメン、美形の役者達は毎年好ましく思っているが、その情報はNHKの公式サイトにあるから~わざわざ生身の役者のことを予習復習する必要もない。
 で、このムックのp4~5にかけて「清盛時代の京都:平安京が洛外へ展開」という見開き写真解説があって、これが気に入った。復元模型は、「京都市制作・京都市歴史資料館」とあるから、京都御苑の南の東から寺町通りを少し北上し、見学するのがよいだろう。
 そこで、白河法皇がどこに住まっておられたかがひとめでわかる。白河殿に物の怪のように棲んでおられたよし、怪物だったわけだ。現在の岡崎公園あたりかに、高さ80mの塔を持つ法勝寺を建てたとのこと。この白河殿の区画は単純に岡崎あたりと言っても、現実的ではない。ムックの地図写真では、北東が吉田山にかかり、南西が鴨川の二条にかかる。

3.梅小路公園と若一神社:清盛晩年の西八条屋敷あと
 これは地図を下に上げておく。平清盛は晩年、現京都市の南で七条通と八条通の間、西は新千本通と東は大宮通の区画に大きな、御所と言われるほどの建物群を作った。
 この西八条殿を今風に言い直すと、なんのことはない「梅小路蒸気機関車館・展示館、梅小路公園」あたりである。ところが一方、むかしから西大路八条角にある「若一神社(にゃくいちじんじゃ)」にも、西八条殿跡という伝承がある。両者は、いずれも私が自動車で通勤する道筋なので、近いといえば近いが、地図でみると離れている。昔の事だから、いろいろ話が混じり合ったのだろう(笑)。


大きな地図で見る
清盛の西八条殿跡

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受信: 2012年1月15日 (日) 19時52分

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