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2011年12月18日 (日)

鉄道模型のPC制御:(10) 半径15センチのHOやDCC

承前:鉄道模型のPC制御:(09) 従来のアナログ車両を無改造で、DCC運転する

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↑外線・半径15センチのエンドレスを走るHO・広島電鉄200形ハノーバー電車

10-00 概要
 先回はデコーダから直接線路に給電することで、どんな動力車(DCもDCCも)も無改造で運転できる環境を造った。DCC本来の特徴をいろいろ削ぐ方法だが、簡便にPC制御のDCC実験をするには汎用性があって良いと思っている。

 しかしそのときはまだNゲージの小型車両を実験対象にして記事にした。PC制御から見ると、GもHOもNもZも、なんの変わりもないのだが、実際に手元近くに車両を置いてPCを操作して、車両の制御実験をするには、パイクとよばれる超小型のエンドレス線路があると便利になる。それはNゲージやZゲージだと造りやすいが、HOとなると途端に難しくなる。たとえばNゲージだと市販のレールセットで半径10センチ程度の超ミニカーブも造ることができる(TOMIX社のレール)。

 DCCの制御をするのになにかと便利なHOゲージ(線路の幅が16.5mm)のエンドレス・レールだと、国産市販のもので半径43センチ(KATO)、外国製で半径36センチ(ドイツのフライシュマン)が限界と思う。それ以下のパイク的な半径を持たせるには、フレキシブルレールで加工するしかない。

 今回は、自由折り曲げレール(フレキシブルレール)を使って、極端に小さな半径(外線で半径15センチ)のエンドレス線路を実用化出来たので記録しておく。

10-01 PECO(ピーコ)のレール:メタルシルバー Code100
 ことさらレールを選択したわけではない。店頭(ボークス・ホビースクエア京都)に沢山立てかけてあったレール数本購入した。一本700円前後だった。

 そのレールを台所にあった手頃な大きさのボールに巻き付けて、両端を結束帯で完全に縛り付けた。最初の一つは一時間後くらいに結束を外したが、まだ復元力が強く撥ね飛んだ。二回目は翌日に外したが、ほぼ思った通りの円形を保った。この方法は、しばらく結束したままの方が、作業がたやすい。

 作業の要諦は、ハンダ付けにある。あらかじめニッパーで二線の両端を合わせて切断し、外線か内線のどちらか一方に集中して、レールジョイナーでエンドレスに接合し、その外側にハンダを流し込む。これをもう片方の線にも行う。要するに、レールジョイナーだけではレールの復元力、つまり曲がりを結合させておくのが無理なので、ハンダ付けで固定してしまうのが、パイク・エンドレスの要諦である。
 ついでに適当な箇所の裏側に給電用のワイヤーをそれぞれハンダ付けした。

10-02 運転とまとめ
 給電は、DCでもDCCでも変わりはない。ただしデコーダを載せたDCCタイプ車両をDC:直流で走らせるのは何ら問題はないが(そういうデコーダが主流となっている)、DCC給電にしたとき、デコーダ無しの旧来タイプ動力車をレールに乗せるのは避けている。一応それは可能だが、制限も強く、モータの唸り音が甲高く気持ちが悪い。

 半径15センチで走る1/80、1/87、1/45の縮尺車両は、縮尺にかかわらず2軸のものだと可能だった。写真でわかるように、いわゆるOn30の大型市電も、小型に見えるレールバスも同じように周回できる。

 運用については、これくらいの小径だと基板(板やスタイロフォーム)が無くても自由に取り扱える。もちろん、板にスパイクしてレールを固定化する必要はない。ジオラマとして整形する場合も、ボンドで固定できるほどに、融通性が高い。机上のPCやノートPCのそばに置いて、たとえば永末DP1のような小型DCC給電装置に接合し、JMRIなどで自由にDCC実験ができる。

 なお先回造ったKATOのEM13 デコーダ・レール直結によるDCC運転も問題無くできた。これくらいの小さなエンドレスで、2軸の小型車両をせいぜい1~2両運転するには、1A程度対応の小型デコーダでも十分に使えると思った。勿論、他のDCC専用車両も実験可能である。

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