小説木幡記:月が二つ見えるのは地球では病気だと分かったのだ
超・長編SF『砂の惑星』Duneシリーズの世界では、月が二つある。デヴィッド・リンチの映画でもそれは描かれていた。だから、その世界へ行けば、確かに大きな月が二つあるのだろう。勿論、わが太陽系でも火星の月(衛星)は2こ、木星や土星はそれぞれ60以上の衛星が回りをぐるぐるまわっているのだから、空を見上げるとそれこそ「月だらけ」なのだろう。
となるとまてよ。
地球の月は一個と昔から決まって居る。人類が生まれぬもっと昔は知らないが、ここ数万年の間は月は一つだ。だから、月が二つもあるような地球の小説は、きっとSFだろうと思っておった。
ところが。
最近ようやく知ったのだが、眼科領域の話では「複視」という目の病気があるらしい。これは夜空の月が確実に二つに見えるという、なんとも1Q84的雰囲気の病気らしい。小説だと月が二つ、三つに見える人が出てきても、ちっとも困らないが、現実にそういう人がいると、これはその人にとってはなかなか気苦労が絶えぬことだろう。
というわけで。
事実は小説より奇なり。月が二つに見える人は、現代日本に比較的沢山おられると、初めて知った。ふむふむ。
しかしもしも、小説『1Q84』の最終巻で、「実は主人公は複視でした」なんてなことになると、鼻白むなぁ。
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