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2011年7月31日 (日)

NHK江(29)最悪の夫 :長姉としての淀君

承前:NHK江(28)秀忠に嫁げ :妄執

 少しわかりやすくなりました。歴史的には織田信長の姪で、浅井長政の三姉妹が豊臣、京極、徳川に嫁いだという事実がもとになっているわけですが、その間の女性に光を当てない通史だけだと、常に信長や長政や秀吉や家康や秀忠に目がいって、女性たちの動きをまるで年表の箇条書きのように読み捨てて終わり、というところがあったのです。

 しかし実際には、どれほど戦国の習い、女子の定めと、世間歴史の中で思っても、そんなに簡単に気持ちが収まるわけがありません。今夜も、まず「秀忠」に嫁ぐ気持ち、そして「完:さだ」という一人娘を豊家に残して嫁ぐ気持ち、とひと言ではすまないいろいろがありました。
 そういう微妙な人の心が、一応の成り行きの中で描かれていたのでよく分かったのです。

 途中ですが。
 秀吉の黒子のように立ち回る石田三成の動きも目を離せませんでした。特に、深夜に江を訪ねてきて二人が話し合おうとした場面で、突然淀君が入ってきて、三成が退散していった場面がどうにも、腑に落ちなかったのです。歴史的に、あるいは噂で、江と三成との間になにかの密約があった話は聞いたことがないので、これがどういう伏線なのか、今夜のところはさっぱり分かりません。あるいは、後世、「完」は藤原一門に連なりますから、そのような遠大な婚姻の話だったのか~わかりません。
 このごろ、苦渋に満ちた石田三成さんの動きや表情に目を離せなくなったのです。

 完(さだ)を江から引き離して豊臣の子として育てると言ったのは秀吉でも家康や秀忠でもなく、淀君だったという流れでした。その理由がよくわかりました。つまり、母(お市)が兄の信長を裏切ったことで、三姉妹はものすごい人生に見舞われた。完もそういう激しい人生を歩まぬようにするには、豊臣の血を引く娘として、(仮想敵国)徳川へ連れて行くのは止めた方が良い、という淀君の決心でした。
 もともとは三成の進言としてありましたが、それを淀君が長姉として、大所高所から判断したようです。

 今夜の見どころは。
 勿論秀忠と江との床入りの掛け合いも面白かったのですが、……。
 長い長い伏線の開きとして、家康自らが江に「嫁に来てくれ」「三の姫さんには宝がある」という口説きセリフでしたね。ドラマとしては、江が主役ですから、主役を引き立たせるカリスマ性というか、定められた☆が見えないと、物語が痩せます。今夜は、ちょっと「うん、江はそうだったんだ」と納得できました。

追伸
 それにしても次姉の初さんは、ほっとします。なにかしらユーモラスな役回りですが、関ヶ原前後からは、淀(豊臣)と江(徳川)をはさんで、初(京極)さんの働きがあるのでしょうね。期待しています。

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コメント

NHKのこのドラマは、歴代の中で最もアホ臭い。家光より忠長を溺愛し、跡目争いで結果自害させられる。秀忠は浮気して保科正之を生む。なんら見るべきとこのない江を主人公にし無理に肉付けするから、あほな話ばかりがまとわり付いて、どうしようも無い駄作となってる。細川ガラシャを主人公にしたほうがまだましじゃ。

投稿: アイアイサー | 2011年8月16日 (火) 23時16分

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» 江 -姫たちの戦国- 第29回「最悪の夫」 [あしたまにあーな]
前回の終わりに秀吉に、秀忠のもとに嫁ぐように言われて頑なに拒む江ですが、今回はそれが現実になっていくまでの様子を描いています。おそらくこの時代にあって、天下人の命令ともいえる言葉を拒むことなどできないとわかっていても、そんな秀吉に従うこと自体許すことができないという思いが一番強い江。 そんな江の説得に再び登場するのが姉の初でした。この方はいったいどのくらい暇なんでしょうか。何かと江や淀のもとにやってきては何かと世話を焼きます。きっと、これは脚本家のこだわりなのでしょう。市が最後に残した言葉の中で「初... [続きを読む]

受信: 2011年7月31日 (日) 22時30分

» NHK江(30)愛しき人よ :伏見城界隈 [MuBlog]
承前:NHK江(29)最悪の夫 :長姉としての淀君   六歳年上で過去に二度結婚し、娘も一人はいた江と、若い秀忠とがすんなりと本当の夫婦になるには一年かかったようです。なにかと難しい女性や男性の心の綾を、ともかく番組一度ですませてくれたことに深謝(笑)。こういう画面は苦手なのです。  だれの心も二重三重にからみあっていて、単純なものではありません。仕方ないと思うより他ないのですが、場面設定としては... [続きを読む]

受信: 2011年8月 7日 (日) 20時23分

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