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2011年6月10日 (金)

小説木幡記:梅雨月の1/3

Aopimg_6347 授業の後で部屋に戻るとき数名の顔見知り学生達がいて、一人が「沖縄で梅雨があけたそうですよ」と唐突に語りかけてきた。まだ3ヶ月目の新しい学生集団だったので、気心も知らないところがあって、一体どういう文脈で余に語りかけてきたのか、分からなかった。

 しかし大昔の洋行帰りの英文学の先生が、「イギリスじゃぁ、よほど用心深くってね、見知らぬ人とは天気の話しか、しないもんだよぉ」と言ったのを、半世紀近くたった現在も耳にまざまざと再現しておる余なれば、この学生の気持ちは、一定の敬意を余に払いながらも、用心深く天気の話をしていたのかなぁ、と部屋に戻って一休みしたとき、そう気がついた。笑った()。

 木幡にもどって新聞を見ると、たしかに沖縄では早々と(気象・測候史上、最速)梅雨明け宣言をしたとのこと。とすると、件の学生達もまんざら用心深くふるまったのじゃなくて、話題提供の気持ちが強かったのかもしれない。またしても、自笑した。

 昨日も3つの授業で多数の若者達と話をした。半数はすでに昨年余の講義を受けた者たちの続編だから、すこし気分的に楽なのだが、残りはこの4月から最初の授業なので、いささか神経がひりひりすることが多かった。そういえば昨夜も9時頃に電気を付けたまま眠り、目覚めたのが零時過ぎで水を一杯飲んで、また電気を付けたまま眠り、起きたのが午前5時だった。

 余は若年より、最初の経験とか、初めての人物との付き合いなど、要するに未経験のことに直面すると人に倍して神経質なところがあって、気苦労が絶えなかった。だれでもそうだとはわかっていても、それでもちょっと疲れが激しい人生じゃったのう~。

 というわけで、まだ未知数の学生達に梅雨明け宣言を語りかけられただけで、「何故、余に梅雨の話をしたのじゃろうか。なにか、別の不条理な理由(爆:不条理とは理屈を飛び出した様態をさすから、不条理な理由という語法は、どうみても爆笑ものじゃね)でもあるのやろうか~」などと、眠りながらも考えていて、起きて早々にこのような梅雨明け宣言記事を書き出したのかもしれぬ。

 そこで。
 6月も10日。すでに1/3を過ぎてしまった。なにか、時が猛烈な勢いで余の眼前を走り去っていく。まことに、そう、まことに人生とはあっけなく時の流れに流されていくものじゃ。
 すぐに夏。
 夏と言えば、オープンキャンパス行事とか、学生達とのジオラマ制作行事とか、夏季論文とか、旅行とか~いろいろある。なにごとも、夏に、夏に、と夏頼みしてしまうと、実際に夏季になると夏が大変な過密状態になる。夏まで待たずともよいことは、今の内にやっておこう。
 うむ。

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