小説木幡記:日々日常のお湿り
葛野の近くにキリンドウとかいう薬局のようなスーパーのような、ともかく同一種類の商品が山積みしてある店に行った。目当てはパイプ詰まりを解消する薬探しだった。
研究室に小さな洗面設備があって、気を付けているのだがもう20年近くも使っていると数年に1回、完全に詰まってしまう。たぶん、微妙な珈琲粉のカスとか茶葉がたまりにたまって詰まらせるのだろう。割り箸をセロテープで頑丈につないで長くして、それでつついたら一度は水がすっと流れたが、すぐに怪しくなってきたので、パイプ掃除薬を探したのだ。店内には、ともかく洗剤や化粧品が山積みしてあって、製品も多種あるので、どれがパイプ掃除薬なのか、なかなか分からなかった。これだけの化粧品を間違いなく使う女子達の脳もなかなか、上等じゃのう。
なんとなくパイプ詰まりによく効きそうなのがあったので、買った。ついでにティッシュも数箱まとめ買いした。5箱もあって300円だった、コンビニに比べると安いなぁ。ティッシュで鼻をかむのじゃなくて、ジオラマの色粉飛沫を拭いたり、こぼれ塗料を吸い取ったりと、大活躍する。そうそう、ティッシュとかキッチンタオルは、それぞれボンド水に浸して、微妙な山肌を整形するにもよく使う。乾くと丈夫でよい線をだし、その上アクリル塗料のノリも良い。ついでに詰め替え用の芳香剤というか、臭い消しも買った。なんとも小汚い研究室なので、せめて森林の香りくらいは漂わせておきたいという切ない気持ちからだな(笑)。
帰路、きんじょの「めしや」に入ったが、日頃になく食べたい気分じゃなくて(早く、パイプ掃除薬の効能を知りたかったせいもある)、簡単に素麺とサワラ西京焼きをとった。ということで、食事と買い物とを併せて2000円ほどですんだが、男子が一旦外に出ると必ず数千円~数万円のお金が出ていく。人生とはなかなかに、厳しいものだ、脳。
おわりと追伸
それで、これから冷房の季節に入る。大学全体の節電志向もあって、冷房は28度Cがお約束だ。そして最近気付いたのだが、冷暖房は湿気をとって乾燥もともなう。これが良い点もあるのだが、心身には多少のお湿りがあった方が、良いようだ。だから、水が快調に流れ出した洗面設備に、なんと昨日からは水をためるようにしだした。栓をして水をためておくと、蒸発して部屋にお湿りをもたらし、冷房季節にも極端な乾燥を防げるようだ。
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