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2011年6月 3日 (金)

小説木幡記:松本城

↓現地撮影:浅茅原竹毘古
Mudsc00010 近頃の小説木幡記では、めったに写真解説はしなかったが、今日はこの城姿をみながらすこし考えをメモしておく。

 なお、解説しないのは、記事内容と写真の合致が滅多にないからだ。写真は写真、その日その日の小説は小説ということで、独立している。たまに、いかにも写真と記事があっていそうに思われるときは、「無関係です」と断りをいれてきた。
 で、なんでそんなややこしいことを続けているのかというと、単純に、脳内でイメージの乱舞をすりぬけて写真を決めるのと、脳や指が文章を書くのとでは、余は別の領域を使っているようで、無理に合わせると疲労するからだ~

 以前、春先だな、NHKのBS3、つまり最近はBSプレミアムと呼ばれている番組が、二日間にわたって日本のお城の美しさを訪ね歩き記録してくれた。それをまれに、断片的にちらちらと見直すのだが、二日分あわせて27GBほどの大容量に美がびっしり詰まっていて、どこから見ても「う~」と呻くほど良い城城だ。

 城が各地の県庁所在地を中心とした小高い丘にあって、城下の人達は毎日朝夕、見上げると城が目に入る。武張った雰囲気はほとんどなくて、この松本城のように青空、山々、そして隠れているお堀の水。戦争のためというよりも、記念碑、お国ごとの象徴、国人たちの誇りに見えてきた。また、静かさやバランスも味わえる。近代兵器の弾頭や砲身やトーチカや戦車や弾倉に比べて、なんとたおやかな、まるで「美しく造ったような城」。

 実際、昔の人は国の中心や要所に城を築くとき、美しさや安定を具現化することに、相当な心をこめたのだろう、と写真を見ながら想像した。

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