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2011年6月 4日 (土)

鉄道模型のPC制御:(06) DCCのスターターセット(HOとKATOのD101)

承前:鉄道模型のPC制御:(05)iPadで列車制御→WiThrottle

06-00 板敷きのDCC列車走行

Muimg_7028

 ↑何の工夫もなく、コーナー基板(45x45センチ)を4枚四隅に置き、その間に中間基板(30x60センチ)を上下に挟んで板敷き列車とした。ネットを見ると、世間ではレイアウト(ジオラマ)を作って模型列車を走らせる他に、「お座敷列車」とか「風呂敷列車」という方式があるらしい。お座敷も、手頃な風呂敷もなかったので、板敷き走行にした。今はまだDCC(ディジタル・コマンド・制御)が日本では普及していないので、固定的なジオラマとして扱う気力が湧かない。つまり今後も変化が大きいので、このたびは完全固定化よりも可動方式が気楽なのだ。

06-01 私の考えた「スターターセット」
 いろいろな新世界に入るには、一式セット、つまりスターターセットがあると気持ちが楽になる。そこで日本的なDCCのセットを考えて見た。
 まずゲージ(線路幅)だが、これはHO(16.5mm)にした。それより小さいNゲージの方がすべてにおいて普及し廉価と思うものだが、DCCでの初心者結論は、熟考の上で、HOとした。動力車だとNゲージの2倍の価格だが、Nを2台買ったつもりで、HOを1台にすればよい。
 その一番の利点は、日本メーカのKATOはほとんどのHO動力車に8ピンプラグ受け口を付けている。だからこそ、DCC化は、別途デコーダを差し込むだけで完了となる。DCCのネット記事を読むと、小さなNゲージ車両にデコーダを神業的に搭載する記事で溢れているが、初心者には難しい。

 以下、2011年6月時点でのネット通販「錦林車庫」(オンラインショップ)の入手度や価格を標準とした。ここは、一般に品物がそろっている。

(0)DCC制御装置
 KATOのD101+解説本。19467円
  (解説本『DCCで楽しむ鉄道模型』は書店でも買える。しかしこの図書がないと、マニュアルだけではどうにもわかりにくい)
  (電源などが含まれている)

(1)車両
 KATOのDD51ディーゼル機関車。12600円(売り切れになっていたが、これはどこかにまだある(笑))
(2)DCCデコーダ(8ピン)
 DZ125PS。2772円(動力用で、PSがついたものは大抵間に合うが、他のは4000円以上と、高くなりがち)
(3)レール
 KATOの半径43センチ曲線レールを4セット。4000円程度。
 (こればっかりは、KATO通販に直接申し込まないと入手不可。要するに市場に出回っているレールは最低で半径49センチ。それだと机上に載らない。前者だと、可能。)
 フィーダ線付き直線レールと、同じ長さの直線レール。数百円。

 以上で合計が、4万円以内となる。
 部屋が広い人は、最近でたKATOのHO入門セット「DD51貨物列車スターターセット」が24780円。これだと、上記(1)と(3)を外せるので5万円前後。ただし、レイアウトサイズが2366×1382mm、なので小部屋住まいには扱いにくくなる。(このセットの電源はDCCでは不要になるが、いろいろ役立つこともある)

 DCC工作は、↓写真のように、DD51の頭を外して、デコーダのオレンジ色線を1番ピンに併せて差し込むだけ。数秒から数分で完了(笑)。

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DCCDD51HO_7037
DCCDD51HO_7039
DCCDD51HO_7043
DCCDD51HO_7047

06-02 セットの動かし方(1)普通の方法:KATO DCCの基本システム

 DCCの動かし方は、解説本で丁寧に読めば車両番号(IDとかアドレス)セットから始まるが、実はデコーダが工場出荷時に「3」番になっているので、アドレス設定は3番のままで飛ばしても動かせる。
 レールに上記(0)から線をつなぎ、車両を載せて、線路電源押下、LOCOボタン+3+LOCOボタン、そして前進、ノブを回す。動き出す。前照灯は、0を押す。以上が基本操作。

DCC普通_7025
DCC普通_7027
DCC普通_7031
DCC普通_7032
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06-03 セットの動かし方(2)コンピュータ操作:JMRI

 この記事シリーズはPCによる鉄道模型操作なので、JMRIによる運転は後日にポイント装置の組み込みと併せてじっくり書く予定。入門はすでに記したので、参照願いたい。

 ここではまだJythonなどによるスクリプト方式ではなくて、JMRIが持っているスロットル機能を使って、数台の列車を私一人で動かしている様子を写真に撮った。もちろんそれはハンディなスロットル(運転装置)を数台用意すれば出来るわけだが、それでは漫画になる。そういえば、運転会などでは、別々の人が各人スロットルを持って運転することになる。人付き合いの無い私は、それをPC一台と対話して操作しているわけだ(笑)。

 JMRIのPanelProなどの上部ツール欄に、新規スロットルがあって、これを押して、スロットルのアドレス設定欄に機関車番号を入れるだけで、スロットルが完成する。これはファイル保管しておく。

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DCC_JMRIHO_00

06-04 3列車の並行処理

 この動画は中央にある建物が「未来の図書館」というコード(記号)で、奥にある細長い木造建物が「未来の中央図書博物館」というコードである。この間を図書館列車が走行することで、互いの施設をリンクしていく。そのことで地域全体を視野に置いた、未来の「生涯学習館」を考えている。
 薄暗く見栄えのしない動画だが、この中で三台の列車が走っている。これをそれぞれに特徴を持った「リンク・図書館列車」と考えておく。

 そこで、技術的な話になる。
 この三列車はDCC方式なので、それぞれの制御が完全に独立している。列車は車両に搭載された別々の背番号を持つデコーダ(一種のコンピュータ)によって走行指示をうけている。その独立したデコーダに指示を与えるのは、「私」なのだが、一旦与えられた指示(例:前進、速度70%、前照灯オン~など)は記憶され持続するので、私が次に他の車両に指示を出しても、先の車両の走行は維持される。

 こうして私は、つぎつぎと指示を出し、その指示に各車両が独立して、一つのオブジェクトとして対応する。これは明白な、イベントドリブン方式である。各デコーダ、すなわち各車両はそれぞれがオブジェクト(自律物)として並行に振る舞うことができる。そのことが、DCC方式による最大の利点である。

06-05 まとめ

 今回は、JMRIによるポイント制御やJythonまで話を進める予定だったが、DCCのスターターキットを考えているうちに内容が変わってしまった。

 まず、現今の日本の状況では、HOゲージによるDCCが容易だと考えた。経費については、車両の数を減らせば、普及しているNゲージとそれほど違いは出ない(笑)。
 レールはKATOの半径43センチ定格ものを使うと、実に気楽な小スペースですませられる。KATOがこれを何年も大々的に流通させないのは謎だが、おそらく日本の精密な車両が曲がりきれない、脱線する危険、そういうクレームもあるのではなかろうか。この対処はいろいろ工夫したが、DD51では、まず中間の遊車輪、つまり中間台車そのものを外している。私は走らせることに意味を感じているから。とくにDE10では、台車の四隅を削り落としている。次にBackmannなどの極めて小さな半径でも回るOn30・DCC(0-4-0 Side Rod Gas-Mecanical DCC)とか、1/87の小さな、そして車輪の少ないDCCものを重用している(このDCC車両への列車番号付けは後日に記録予定)。外国製(フライシュマンなど)のものが半径36センチでも走るのを見ると、日本の模型は走りよりもスケールモデルに傾き、少し堅物過ぎる気がした。

 DCCで車両を一台ずつ制御することになれると、原則一レールに一動力車しか走らせない従来アナログ走行が、別世界に思うことがある。私の場合、図書館駅から中央図書館駅に行き、そこから分岐して博物館に行き、別の列車は動物園(これも博物館)に直行して折り返し運転をする~。そういう物語をモデル化するには、現状ではDCC方式の自動運転が最良となる。

 外国車両がはじめからHO・DCC化(デコーダ搭載)していて、音(サウンド機能)を欲しなければNゲージ車両並の価格なのを知り、そしてまた日本ではDCC関係の商品・部品流通が通販以外にはほとんど無いことを知り、少しでも優れたDCCが普及して、全体の動きが活発になることを願っている。

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