小説木幡記:お昼に丼考
今日の昼食は葛野近くの古くからある和食堂で親子丼にした。670円。お汁がご飯の底まで佳く届いていて、鶏肉もしっかりした肉厚と深い味わいで、満足した。
最近、この食堂に一人でよく出かける。葛野に来た頃(20年近く昔)は本当に通ったものだが、その後足が遠のいていた。安いコンビニ弁当に傾斜していたわけだ。ヒトの食性も変化していくようで、近頃はコンビニ弁当が喉を通らない。かと言って学食は経済的だが、毎日だと胸焼けがする。これはたぶん油のせいだろう。
ということで、古く伝統的な、日本の食堂。とんかつ定食があって、鯖煮付け、鰯フライ~丼にうどん蕎麦。他人丼、天丼、親子丼は関西関東同じだと想像するが。最初のが牛肉と卵という他人どうし、次がエビ天、次が鶏肉と卵という親子関係。さて、木の葉丼となると、一体どういうものかは、近頃の日本人でもわからないのじゃなかろうか。まさか狐や狸じゃあるまいし、ご飯の上に木の葉がのっているわけじゃない。
もちろん関東人は知らない丼なのだ。
たぶん、関東人は木の葉丼なんぞ、食したこともないだろう。
安いのが一般的だが、このお店では他人丼、親子丼と同じ値段だ。
この謎は? またこんど。
昼食に大いに満足して、歩きながら考えた。ダイエットを気にして丼物を長く食べなかったのだ。しかしどこかでダイエットの秘訣を聞いた。間食をしないこと。そして、飢餓感を持たないようにすること。飢餓感があると生体はせっせと脂肪に変えて蓄積するらしい~。お昼に丼をいただくと、それだけで夜の八時ころの夕食まで、飢餓感なし、間食なしで過ごせる。これは精神衛生的に実によろし~ぃ。
また明日、……。とは思わない。明日は明日の風が吹く。明日は久しぶりに学食二階のパン屋さん製造・弁当にしようかのう。これは380円だが、なかなか工夫があって味もよろし。ご飯、漬け物、ポテサラ、とんかつとか魚フライとかコロッケとか選択する。キャベツ。小さな味わいだが、胸焼けがしない。
さて。
近頃は、嵯峨野蕎麦にも、広沢オムライスも、嵐山イタリアンも、和食里も、~どこにも行っていない。ようするに授業終わって、会議終わって、それから出かける気力がない。逆にポテポテと歩いて和風丼をいただくのも乙なものだ。余は、自ら顧みて、よき近所昼食に満足しておる。
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