小説木幡記:鉄道ムックや単行本:絶景への旅本
最近思いもよらない人から鉄道旅の図書をもらい受けた。
1.日本の鉄道:車窓絶景100選/今尾恵介 他著(新潮新書、268)
4人の鉄道乗りが侃々諤々、北から南まで日本の絶景100を選ぶ過程がおもしろい。声の大きい人に遮られたり、なんかの拍子で、選外になりかけの鉄道風景が入選したりで、そのプロセス、楽屋裏が面白いな。
2.新廃線紀行/嵐山光三郎 (光文社、2009年)
嵐山さんのことはよく知らないが、以前『悪党芭蕉』という著書を面白く読みながら、かつ罵倒していた。今度の廃線ものでは「廃線旅行は、ノスタルジアではなく、命がけの探検となる」というセリフに惹きつけられた。
3.にっぽん木造駅の旅 100選/萩原義弘(平凡社 コロナ・ブックス、2009年)
萩原さんという方は、写真家のようだ。実に綺麗な各地の木造駅や周辺絶景が写真になっていた。美作滝尾駅(JR西、因美線)の写真からは、駅頭に探偵・金田一が降り立ち、まさに事件村に向かう瞬間~のような風情がある。
4.宮脇俊三:時刻表が生んだ鉄道紀行(文藝別冊、KAWADE夢ムック、2009年)
宮脇さんという鉄道文学の巨人について、わかりやすく描かれていた。たぶん、余は別の人生でこんな風な仕事をして生きたかったのだろう、かな(笑)。
最近木幡研では図書雑誌を整理している。その途中で、上記4冊をもらった。ひとつひとつが良書と言える内容なので、今後の余生の血肉となると思った。この図書内容の数パーセントであっても、自分で乗って歩いて、写真を撮りたい。
余は、日本の風景が好きなのだ。とりわけ、鉄橋や単行列車や、錆びたレールが好きなのだ。なにか郷愁がわく。しかし、近所に愛宕山ケーブルカーの廃線があって、中学生頃にそこをたどったが、二度と行けない「危ない道」だった。嵐山さんの、命がけの廃線紀行というのは、その意味でも、遠くから眺めるだけに終わりそうだ。しかたない。
駅については、門司港駅のよさなど、以前何も知らないままに味わったことがあるので、身体に自然になじみそうだ。中でも日光駅の風情に感動した。日本にはまだまだ、新幹線駅とは異なる別の世界が残っておるようだ。
人生はいろいろな楽しみがあるもんだ、わい。
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