小説木幡記:未知の木次線・スイッチバック
↓本文とこの写真はまるで無関係です(笑)
MuBlogの最初の(2004年頃)意図は、「地図の蠱惑:未踏地」というカテゴリーに現れていた。まだ見ぬ土地への憧れを描くつもりだったのだ。しかしいつの間にかそのカテゴリーは消えてしまった。つまり、現実のせわしない記事になっていったということだ。
2006年の夏だったか、書店で魅力的なMookに出会った。宇宙から見た日本の鉄道 絶景の名所・難所20選 (宝島MOOK)、と。いかにも余の好きそうな書名だった。宇宙から見た、が気に入った。当時のGoogle地図では、まだ写真があったのか無かったのか、あっても田舎の鮮明度は低かった。税込みで3000円弱だから高額ムックだったが、買っていそいそと自宅にもどった印象は覚えておる。
この「いそいそ」と帰路につく。この風情がよい。余の場合は、好ましい図書や、最近ではレアで風変わりな鉄道模型を買った時、家路につく電車の中が妙に心地よい。考えて見れば、「いそいそ」は、図書か模型かPCパーツくらいしかないな。実に貧弱な人生だぁ、と思いつつも、「人に迷惑はかけない。人からひがまれもしない」と、安心している。これが「豪邸を建てた」とか「2千万円のイタ車を買った」とか、数百万円の時計を買った~だと、なんかかんか問題がでそうだ(笑)。
このムックを気になって読み直した折り、余でもすぐに行けそうなところを探してみた。さすがに宗谷本線から利尻富士を見たり、釜石線にのって銀河鉄道の夜をイメージするのは、遠すぎて旅費もたっぷりかかりそうで、国内でもまだまだ無理だな。しかし東は東京まで、西は北九州くらいまでなら気楽だ。特に西日本、山口、広島、島根や鳥取なら、近くて行けそうだ。
あった、ありました。
島根県松江市~広島県庄原市を結ぶ、木次線が本文16番目の「絶景:名所・難所」に数え上げられていた。
「オロチ伝説の大段差に挑む、陰陽連絡線のハイライト」 木次線の三井野原-出雲坂根付近間。「ループ状トンネルとスイッチバックを重ねて駅間標高差162mを克服した木次線の全通は昭和12年のこと」と、わくわくしそうな惹句が目に飛び込んできた。深山の中腹をちっこい単行車が走っている写真もあって、たまらなく旅情にひたってしまった。あっ! そうなんだ。木次線と言えば、松本清張『砂の器』。カメダ? 東北弁と出雲弁の世界。
~
余は見果てぬ木次線を朝からとろとろ走り抜ける夢にどっぷりひたったのであった。
(行くぞ、足腰丈夫なうちに、絶対に行ってみせる)
大きな地図で見る
↑木次線 奥出雲おろちループ
注記:スイッチバック
鉄道路線で使われるときは、急坂を登るために、前進後進を繰り返しながら登坂する線路様式とか、そういう登坂方法を指して言う。当然だが、おりるときも前進後進を繰り返し、おりていく。いつかモデルを実際に動画で見せる用意もある。
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