小説木幡記:読書も仕事も食事のような嗜好品
プリンセス・トヨトミを読んだ。読書感想文を書こうと思ったが、少し躊躇し始めた。
万城目学(まきめ まなぶ)という作家をよく知らないので、もう2冊ほど読んでから感想を書くのがよいと思ったのだ。登場人物達の個性や見栄えがとんでもなく異様で、肥大化しているのは、ここ数十年の傾向だろうし、今の余には興味も薄い。しかし作品の根本的な創造衝動がすけてみえて、唖然とした。ようするに、手ではつかめない「人々の想い」に作品を託す。こういう作家魂がまだあったんだ、と驚いたわけだ。もしかしたら余はこの世に万城目金鉱を発見したのかもしれない。
連休中のDCC(ディジタルな鉄道模型制御)は、一方でD101基本セット+PR3(USBインタフェース)+JMRI(制御アプリケーション)+Jython、による自動運転志向と、他方ではDP1でのHO制御に時間をとって試してみた。この隠語列の解釈は、ようするに二つの手法を用いて、鉄道模型を自由自在に動かす実験をかさねているということだ。ある機関車がある条件のもとで、「次に到着するのは村営資料館行きです。足下の黄色い線の内側でお待ちください」とでも、アナウンスするようなシステムも面白いだろうが、根気と資金が必要だな。
寺社仏閣。お寺さんは500円~1000円と、高額入園料(笑)を取るところが多いが、神社は宝物館などを除いて境内に入るのに関銭を取るのはまれだな。平安神宮がお庭に入るときには別途入園料をとっておった。お寺さんは囲いが高い塀になっていて、領地をはっきり示しておる。昔はお寺さんが城郭化していた面もあるようだ。他方、神社の結界は目立たないのが多い。橋とか土と玉砂利とで区別しているからかな。もちろん祈祷料というか玉串代を払わないと、神殿の中には入れない。まとめてみると、お寺は施設入場料をとる。神社は入場料がまれ。この違いはどこかに理由があるのかもしれない。いずれも尊い布施、玉串代となり、われら庶民になりかわって神仏に斎(いつ)き祈ってくださる、ありがたいことである。
さて、昨日は講演用の原稿をパワーポイントで50枚制作した。あとはビデオを数分間挿入するだけとなった。次は夏季論文の読み込みと準備に二日間ほどあてる。連休とはありがたいものだ。合掌。
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コメント
京都を舞台にした「鴨川ホルモー」をぜひ。あわせて奈良が舞台の「鹿男あをによし」も。これで大阪、京都、奈良が揃います。Muさんには「鴨川ホルモー」がなじみの多い場所もたくさん出てきて、より楽しめるのではないかと思います。感想を楽しみに待ちます。
投稿: morio0101 | 2011年5月 7日 (土) 01時53分
morioさん
トヨトミを読みかけてすぐに、鹿男とホルモン焼きを入手しました。連休には間に合いませんが、そのうちゆるりと読んでおきます。
トヨトミを読んでいて、まったく笑わなかったです。笑いを取っているところが沢山あったのですが、笑えなかった。それは万城目さんの藝がないからじゃなくて、もともとトヨトミは笑いをとる作品じゃなかったから。大坂城と大阪のココロは、関東もんとはだいぶ違っていて、並立すべき世界と思いました。
morioさんはずっと二都物語で、間をとりもつのが「のぞみ」ですな。~
充実してよめたので、よかったです。
投稿: Mu→morio | 2011年5月 7日 (土) 04時29分