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2011年4月27日 (水)

小説木幡記:働くこと

Muimg_5975 長い長い、40年以上も賃金労働をしてきた。つまり、組織で働くことで給与を得て、それで食べたり、着たり、住んだり、愉しんだりしてきた。機械物や図書物が好きだったので、比較的見えないお金が高くついたのだろう。貯金は猫面貯金箱にしかない。
 働かないと生存の危機に瀕するわけだが、組織に入る働き方と、そうではない働き方があって、前者の代表はサラリーマンで、後者は一部の自営業(大抵は組織に組み込まれるので、ごく一部)や、家事専業に特徴的だ。
 自活できればそれで良い、という結論もあるが、組織に入ると(つまり就職すると)それぞれ善し悪しが分かってくる。要するに群れて一生すごすことも悪くは無いが、群れるから孤立や追放や定年というしんどい想いが生じる。

 人間は動物だから、NHKの動物スペシャル番組を見ていると、まるで人間が戯画化されているようでくすぐったくもあり、愕然ともする。

 牡ライオンは子連れの牝ライオンと一緒になると、その前夫の子ライオンを食べることがある。残酷きわまりないが、近頃の子ども虐待のうち、若い男が同居している女の連れ子を殺す事件が多い。「虐待」と粉飾した報道だが、余などはこれをライオンの雄の所行と同一視している。その男も、許容する女も獣(けだもの)だな。人間として生きるには、情状酌量の余地はゼロ。

 群れる動物が多い。一匹一匹は弱くても群れることで巨大な別の動物になってしまう。一介のサラリーマンでも巨大会社や霞ヶ関に勤めていると、名刺一枚で住宅ローンがたやすく組めたり、飲み屋でツケがきいたり、なにかしら仕事相手に大きな顔ができる(それだけだがな)。

 群れの中にいるから猿やオットセイに顕著な映像姿と同じく、主導権争い、ボス争い、出世争い、異性獲得争いがついて回り、失敗したり負けると群れを追放されたり、石を投げられる。これはサラリーマンの大半が味わい、そのことで精神のバランスを失ったり、人格崩壊することがある。あるいは、自殺要員が準備してあるのかと疑うほどに、巨大組織や親方日の丸産業などでは、責任者を装った者の自殺が顕著である。これは争いの終結生け贄儀式なんだろう。

 要するに就職することで給料を得て食事や服や住まいや遊び金を手に出来るが、就職することで巨大な軋轢に押しつぶされて廃人同様になったり、神経性脱毛症になったり、胃潰瘍(笑:なぜ笑うかは謎)になったり、若死にしたり、自殺したくなる~。群れることは温泉気分で上々だが、湯あたりしてのぼせて体調不良の原因にもなる。

 働くことの第一のメリットは、組織であれ個人であれ、「充実感」を得られることだろう。同様に生きるための軍資金を手にできる。生きていなければ、充実感も喪失感も無駄骨感も味わえ無い。
 働くことの第一のデメリットは、貴重な人生を疎外感の中に費やされることだろう。過酷な競争にさらされて、生の目的を見誤り、ばかげた目標を他からないし自ら打ち立て、消耗していく。鳥瞰的にみると、そういう人生は馬鹿馬鹿しい。猿の仕草をみて笑うようなものだ。

 で。
 生きるのは難しいが、美味しいものを食べたり、愉しい小説や映画をみると「もっと、生きていたい」と思える。人間とは、へんな動物じゃね。

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