小説木幡記:猫ハルキと日常
今朝は4時、昨日は5時に起床した。就寝はいずれも午後9時だから、7~8時間眠っておる。脳は快調(に思える)だな。しかし落ち着いて考えて見ると、脳が快調すぎると生きるのが難しい。世相も職場も、ほとんどのことに難点を見つけてしまって、それが自分へ向かわないように、要するに自滅しないようにするのは、なかなか疲れることだ。なんとか、外への論難だけにとどめておこうと努力するが、ときどき自分への論難になってきて、生きるのが難しい。
ともかく最近の世相は語るに落ちる脳。
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それで、深夜に目覚めることも手洗いに立つこともないから、熟睡しておるのだろう。ただ、零時すぎにふと目覚めて時計を見て、「手洗いに行くのは邪魔くさいな」と、思うこともある。だが、そう思って次に覚醒したときは午前5時ころになっている。余にとって、睡眠は限られた愉しみなんだろう。
(いや、若者達をみていると、みんな授業中も、くつろいでいるときも、話の内容からも、ひっきりなしに、のべつ幕無く、眠っておるから、余だけの快ではなさそうだ)
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部屋の引き戸を引くと確実に猫ハルキが戸の前に座っておる。100%確実だな。余はおもむろに冷蔵庫のドアをあけて、カツブシの袋を取り出し、軽くひとつまみを床に置く。ハルキ君は決まって猫猫した背中を丸めて、かつかつと食べ始める。彼にとってこの世で唯一のおやつなのだ。
ハルキ君にとっては冷蔵庫のドアが午前4~5時に開くことは鰹節に直結した現象のようだ。だからこの時間帯に不用意にドアを開閉するのは禁断行為である。さらに、他の時間帯に「かつぶし」とか「かつおぶし」と言うのは禁句である。どこに居ても、この言葉が発せられると忽然と冷蔵庫の前に姿を現す。(これは本当の話である)
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食べ終わると次に余の足首に絡みつき、余が歩くと余の足にじゃれついてくる。約30秒たって余が次の行動にでないと、100%確実に、余の足甲にがぶりと噛みつく。これが「アウチ!」と叫ぶくらいに痛い。この攻撃は次の行動を起こさない限り続く。
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次の行動とは、余が玄関口に向かい、ドアをあけて外気を部屋にいれることである。もちろんハルキ君はとことこと外にでる。出ると言っても半径最大5m以内で、けっしてそれ以上には出ない。そこで余は気分にしたがって5分~20分、外でぼんやりしている。勿論寒冷時は数分が限度だが。余が入ると70%は後についてくるが、以前、そうしても振り向かなかった。「ハルキ」と声をかけてもそっぽを向いていた。三度目に「ハルキ!」と強く言うと、振り返って恐ろしい顔をして「ニャーゴ」と怒りの声をだした。ようするに、「おっちゃん、うるさいで。くつろいでいるんやから、ほっといてくれ」と言いたかったのだろう。
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今朝もそうだった(笑)
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