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2011年3月17日 (木)

小説木幡記:東北関東大震災の記録(5)ラジコンで空から海から陸地から

Muimg_57470.原子炉と水
 水は放射能を遮り、放射性物質の放散を止め、そして燃料棒の発熱を抑える良薬だ。そういう点で日本の原子炉が海辺にあるのはよくわかる。安全確保の最後は廃炉覚悟で海水を使って冷却する設計なのだろう。今回は不幸にして、その海水を使うシステムが停電になり、強烈な地震によっていくつもの防御システムが壊れた。
 使用済み燃料棒を冷ますためのプールも、深さが10m以上あって、学校などで見る水泳プールの数十倍の規模で、貯水量も1500トンとか2000トンある。だから、8トン単位で水を入れるなら、200回ほど繰り返さねばならない。

1.空から→ ラジコン・ヘリコプターを使っては!
 プロペラが前後にある巨大な自衛隊のヘリコプター(CH-47)で、一度に7~8トンの海水を海からそのままくみ上げ、原子炉3号機の上(後注:大体90~100上空だったらしい)から散布していた。しかし4回程度(30トン程度)試して、17日午前で取りやめになった。画面でみていると、水が霧状になり、冷却にはむかなかった。理由は放射能が強いので、上空でのへり停止、ホバリングが出来ず、水が風にながれ、有効にプールに入らなかったからだ。
 しかし。
 佳い点は、無尽蔵の海水を何度でも7トン(放水車は4トン)単位で放水が可能である。
 この改良点を半日考えていた。

 YAMAHAが無人運転の産業用ヘリコプターを持っている。これはNHKの番組で見た。ものすごい能力があって、武器になることから難しい問題も昔生じた。
 しかし、この無人ヘリで水を運ぶのではない。

 無人へりは250ccのエンジンで15.4kWというから、中型バイク程度なので非力だ。数台使っても7トン水バケツの運搬は絶対に無理だ。
 だから、~
 このヘリを使って巨大自衛隊ヘリがぶら下げるバケツをガイドするわけだ。バケツのロープを継ぎ足して数百メートル上空までヘリを上げ、ホバリングさせて、バケツの先には赤か黄色のリボンとおもりをつけて視認性を高め、そのバケツの上あたりに10m程の軽くて強いガイドロープをつけて、それを無人ヘリで操作して、目的プール上空へ、巨大水バケツをガイドするわけだ。直接ぶら下げではないから可能だと思う。
 (ガイドできないほど非力なら、数台リンクさせる方法もあるが、~操縦が難しい)
 数百メートル上空でも自衛隊員が被爆を免れないなら、この方法は無理だ。
 
 潜水艦に巨大ポンプを乗せて、ホースを数台のYAMAHA無人へりで3号機の上空まで引き上げて、セットして、海中から直に放水する。この場合も力仕事は自衛隊ヘリに遠くからしてもらって、無人ヘリは細いホースガイドワイヤー程度を設置する。
 問題は、潜水艦で水ポンプを使うのが可能かどうかだ。潜水艦は被爆が少ないから圧倒的に有利なのだが、こんなことはだれもやっていないから、数日の準備で施行するのは無理かもしれない。

2.陸から→ 放射能防御を施した戦車の出番
 鉛を積んで防御した(現代はタングステンが主流とのこと)戦車数台で、数台の無人の放水車(機動隊や自衛隊の)を数百メートル近くまで曳航して、放水ノズルは固定のまま、放水車の車体ごと戦車で左右に動かして的を定める。このとき、各放水車には長いホースを引きずらせて、先端にはポンプサーバーを置いて、海水を常時くみ上げ、放水しながら戦車が引っ張る。
 コントロールは戦車の外に出ず、数分で可能かもしれない。
 現代戦車は、放射能に対する基本防御(対・核戦争)をどこまで施しているのだろうか。

 (さきほど、機動隊は放水を止めたとNHKが報じた。届かず、放射能が強すぎて機動隊員が危険になったからとのこと)

3.大停電
 本日夕方東京では、大規模な停電を発表した。それを制御するために、東電や政府は鉄道の本数を減らすことを要請したが、分単位で走っている列車の間引きは大変なことだと想像。
 とくにJR東は困っているようだ。
 富士通の川崎工場とか、他の大企業も、数日間店じまいする体勢に入ったようだ。そういえば、余のへそくり預金・みずほ銀行口座は、断続的に停止し支払い拒否。困ったことだが、間歇停電でシステムが発狂しだしたのかもしれない。他の企業も相似だと思う。

 明日は少し平静に戻って欲しい。
 ただし。
 雪の降る東北の、暖房のない冷えた講堂に何日も横たわる姿を想像すると、この世のあらゆる贅沢は我慢すべきだと、思った。

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コメント

「空からへり」での追加
 無人へりでの水バケツガイドがむりならば。

 TVでみていると、水バケツから3号機までの距離が数十メートルあるので、上空でバケツの底を開けると、水が拡散する。

 ボール状の、気球や風船のような、テントのような入れ物に水をいれて、塊のまま墜落させるのはどうだろう。
 ただし、衝撃が燃料棒に直にあたると別の問題があるのかもしれない。

 もし、なにかで衝撃を与えてもこれ以上燃料棒が悪さをせぬなら、巨大ミサイルの弾頭に水を積み込んで数発打ち込む方法もある。ミサイルの標的確保は軍事的に確立した技術だと思うが。ただし調整が微妙だ。やりようによってはプールを破壊してしまう~。

投稿: Mu | 2011年3月17日 (木) 19時50分

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