小説木幡記:雑務に暮れた春の日
ようやく三月も下旬になった。春分の日は終日木幡で読書していたが、今日は早朝から葛野であれこれと雑務をすませていた。しかし雑務が何をさすかは差し障りもあるので、記さずにおこう。たとえば重要会議や重要面談を「雑務」とかけば、書かれた関係者は激怒どころか余を憎悪するにちがいない
。うむ、世間付き合いはかくして難しいものである。
雑務の一つに、先ほどまで4階の工作室で(これも問題発言である。清浄な部屋をだれが小汚い工作室にしたぁ~!とな)島図書館ジオラマの最終段階に手を尽くしていた。島図書館は、2002年頃、あしかけ10年前に、ある学生達が作った未来の図書館「島図書館」をモデルにしている。これを数年前からジオラマに形成しているわけだ。
そこを走るレールは、数学的に延ばしてしまえば、一本のレールに少し離して二つのポイント切り替え装置があって、それぞれに分岐が出ている。これを複雑怪奇な3層構造を持つ溶岩島にくるくると曲げて設営しているから、余以外の者が見れば実に複雑な3次元立体構造を示す。3つの分岐終点から1つの終点に向かって、3種類の車両が交互に往復運転する仕組みを、TOMIXの自動運転システムで、すでに数年前に実験完了しておる。
さて、3つのポイント側終端には、3つの図書館を仮想設定している。島中央図書館、島駅図書館、本土連絡図書館駅。そして反対側には、港図書館を設定している。本土連絡図書館駅は、この線路が仮想的に海底トンネルとか大橋を通って四国か中国地方のどこかに通じている設定である(ああ、島図書館は瀬戸内海にある)。
問題はもうあまりない。数年もかかっているから、あらかた解決している。ただし細かな細工はあって、それが今日の雑務となろうか。結線の量が半端ではない。60x60センチの基盤に、ポイントが5つあって、センサー(列車通過確認)が4つで、電源供給部分(DCフィーダー)が3箇所ある。いままでは、きっちり機能するかどうかに重きがあって、そのワイヤーはやまもりスパゲッティ状態でレールの下や山の中を走っていた。しかしそれではあまりに見苦しいので、結線を隠す工作が必要となったというわけだ。
ワイヤーの引き回しは、PCでもロボットでも、そして鉄道ジオラマでも大問題である。もちろんアルコールや石炭を使う超本格的蒸気機関車世界では、ワイヤーがゼロでもよいが、電気で走らせたり検知するには、どっさり線が丸まってくる。(そうそう別口話だがDCCという方式は一本のワイヤーで何十両の車両もポイントも制御できるといううたい文句だが、それは調べれば調べるほど嘘嘘しい)そこで、レールの下や山や海や川に、大胆に電動ドリルをぶちこんで穴をあけ、そこにいくつものワイヤーを通した。
と、それが今日の最後の最大の雑務であった。
他の、超早朝から午後中頃までの雑務は、上述したように、差し障りがあるので記すことあたわず。
おお忙しい日々であることよ。
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