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2011年3月20日 (日)

NHK江(10)わかれ:戦国女たちの死生観

承前:NHK江(09)義父の涙:柴田勝家からみた世界

 一週間をおいて「江」の世界に戻りました。ドラマが始まる前にBS-Hiで見たのですが、4月から司馬遼太郎「新選組 血風録」が始まると知って驚きました。間に300年間ほど挟んで、江戸時代の始まる前が「江」で、終わる頃が「新選組」です。ともに血なまぐさい世相ですが、今夜の「江」の場合はお市さんという女性の死を描いています。戦国時代は、武将の家族(女性や子ども)が一緒に死んでいく場面が多いですが、幕末の場合にはどうだったのでしょうか? ドラマの世界で、後者はあまり思いつきません。

 脚本の性格からか、今夜の秀吉は後家さん「お市」を側室に迎えるということで下心丸出しの猿猿した雰囲気を見せていました。脚本や演出がどうのと考える前に、このときの秀吉の気持ちやお市さんや、柴田勝家さんや、三人娘の気持ちはどうだったのでしょうか。
 
 明瞭な事実(らしい)はこのとき、福井市の北庄城で柴田勝家と奥さんのお市(織田信長の妹)が城とともに亡くなった(自刃した)ことと、お市さんの連れ子、茶々、初、江の三人が落城前に秀吉のもとに届けられたということでしょう。そこまでは一応事実として考えてみましょう(笑:昔の事はよく分かりませんからね)

 お市さんはドラマで、最初は娘達と一緒に城から出る雰囲気でしたが、実はその裏で娘達がそれぞれ好む帯を選び、小刀で切り裂き、匂袋をその布で作っていました。ドラマとしては秀吉がお市さんを側室にする条件を突きつけたことになっています。お市さんの死生観がどういう宗教、無宗教からでたかは分かりませんが、すでに小谷城で前夫の浅井長政との別れを経験していますから、著名な戦国武将の妻という立場を二度まで経験した上で、生きるのを放棄したようにも思えました。柴田に殉じるという気持ちもあったわけです。

 このとき三人娘がどうだったのでしょうか。
 容易に想像できるのは、眼前で実母と養父とが死に逝く場に直面したわけですから、その後の彼女らの死生観は通常のものとは異なっていったと思います。また、茶々と初という江の姉2人は物心ついてから、この経験が二度目ですから、強靱になったか、あるいは心の奥に「死」を閉じこめたかもしれません。


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受信: 2011年3月27日 (日) 19時48分

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