小説木幡記:電子書籍の意外なギミック効用
iPad賢者板のことだが、事情もあって最近よく触っている。で、書きにくいことだが、最近はちょっとしたおもしろさ、工夫、仕掛け、要するにギミックに気持ちを向けていることに、自覚した。
↑なんともわかりにくい表現だ。
つまり、iPadでページをめくるたびに、紙がくるりと巻き込むようなそういう見かけ上の仕掛けに気持ちがなごんでいるという、単純な話なのだ。
余は、先年まではたいした使い方もしなかったので、電子書籍は主に出来合の「i文庫HD」に納められている無料の青空文庫だけを使っていた。もちろん今も使っている。その読書機能が、最初からすぐれていたせいか、件のギミックがあって実に使いやすいものだと、今更感じ入った次第。
別の電子書籍には、そのギミックがなくて、ページをめくるうちに混乱してきたのだ。
最初は電子書籍を読むのにまるで紙のページのようにくるくる巻き込むイメージなんか不要だ、と思っていた。せいぜいイベントで初心者の目を丸くさせるくらいが関の山~。
ところがだ。
その後いろいろな種類のものを読み出し、使いだし、自分でも造り出し始めてからは、この単純素朴なギミックのあるなしがとても心身によい結果を与えていることに気付きだしたわけだ。もちろん、そのギミック付きの方が格段に読みやすい。
要するに。
ページをめくったのかどうか~、ページが前に進んだのか、後ろ戻りしたのか~、ページを飛ばし読みしたのかどうか~。こういう基本的なことが、電子書籍になったとたんに、はなはだわかりにくくなってきたわけだ。これは紙の文庫本なんかでも、ときどきページーを重ねたままにめくって読んでいて「あれ? うまく続かない」と気付くことがあるように、相手が電子書籍だと、もっとはげしい動きをする。極端な場合、なにもしたつもりはないのに(実は指が終了ボタンを押していた!)突然画面が暗転し、元にもどってしまった~。
こういう時に、ページがじゅわりとめくれ上がるギミックが実に快適だ。「おお、今、ページがめくられた!」と、はっきり分かるわけだな。うむふむ。
追伸
ページ数というものが変化していく電子書籍世界。
紙図書は各ページの紙一面に内容が固定印刷されるから、ページ数というものは絶対的に不動で、確かな物だった。しかし電子書籍は版面、構成が自由になるのだから、絶対的なページ数(番号)は変化する、浮動となることが、今後の問題となるだろうな(笑)。
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