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2011年2月 6日 (日)

NHK江(05)本能寺の変:信長の屍

承前:NHK江(04)本能寺へ:目に見える形の馬揃え

 信長の棺/加藤廣、秀吉の枷/加藤廣と、二つの小説を以前読みました。ですから今夜の本能寺変はその小説やこれまでのドラマや映画や、一杯のイメージが私の脳に押し寄せる中で見ていました。それで、もちろんいろいろ知ってはいるのに、今夜も「さて、信長のご遺骸はどこに消えたのでしょう」と呟いておりました。空に翔けたか、地に潜ったのか、髑髏はおろか髪の毛一本まで燃え尽きたのでしょうか。そしてまた森の三兄弟も討ち死にしたはずなのに、信長の最後のセリフや様子はどうやって伝わったのか。信長公記や信長記はフィクションだったのだろうか~なにか忘れていることがあったのかどうか、と。
 ただ常にNHK大河ドラマとして観ているのですから、これまでの私の知っていた情報はすべて意味をなさず、トヨエツの信長がどうであったのか、光秀や森蘭丸や江や家康が今夜どうだったのか、しっかり見ておりました。

 今夜も感動が深かったです。
 それは何故なのかと、今考えているのですが、なにかはっきりした理由があるわけではなくて、江が信長に逢いたいと思ったその切実さがよくわかり、そして後の伏線でしょうか、家康が江をたいそう気に入るのもよくわかるわけです。セリフとか所作にあるのでしょうか、あるいは配役が上手なのでしょうか、要するに江は信頼されて「この娘は、なかなかの者になるぞ」と、思わせるところが出てくるわけでしょう。それがドラマの中に綺麗に溶け込んで、「ああ、江が大切にされている。当然なんだよ」と、思ってしまうわけです。その気持ち佳さがあります。

 ところで、明智光秀。
 この俳優さん、私は初めてなんですが、セリフまわしとか雰囲気がものすごく古典的で、最初のうちは「ちょっと、古いなぁ」と思ったのですが、数回前から、そして今回、最適だと思いました。手の震え、きまじめさ、おびえ、怒り、誇り、……。そういうものを一切合切まとめて、「敵は、本能寺にあり」の号令は良かったですね。相当に深い感動を得ました。何十度もいいますが、大河ドラマのよさは、信長にしても光秀にしても家康、千利休にしても、主役ではないのに、ものすごく良い配役がそろっています。勿論、名のみ高くてもうまく溶けない人も過去ドラマにいるには居ましたが、今回、すべて気持ちがよいです。

 嗚呼(ああ)、信長は亡くなりました。
 今度は光秀です。これからは秀吉や家康、茶々が表に出てくるのでしょう。実に、楽しみが深いです。


元本能寺南町: 大きな地図で見る

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