HO:16.5mmゲージのレール・レイアウトと鉄道模型
模型は、大きい物の方が一般には表現力が優れている。2階建ての鉄道図書館列車も、小さい模型だと意を尽くせないが、大きくなるとそれなりに自分の考えている内容を表現できる。
ただしスケールがNゲージの1/150からHOの1/80になると敷地面積がどうしても大きくなる。今回の実験では、山や川のあるジオラマではなくて、スッピンのレール・レイアウトを定めるために60x90センチの基板を用意した。ところがこの基板に小判型のエンドレスレールを設定しようとすると、理屈の上では半径30センチが限界になる。
ところがこの半径30センチというのは、既製レールで求めると、まず入手不可能だとわかる。以前ドイツ製のフライシュマン社のもので、比較的カーブに強いものを入手したが、これも半径36センチだった。日本製になると、流通しているのは半径49センチで、メーカー直販で入手しても43センチが限界である。半径49センチというと横幅1m以上必要で、43センチでも一般的な日本の机上にぎりぎり載るか載らないか難しい半径である。
つまり、HOゲージになったとたんに、普通ならばかでかい面積(2畳程度)を必要とするので、どうしてもフレキシブルレール(自由曲げレール)の世話になる。そしてまた、鉄道模型レイアウト(ジオラマ)世界では、通といわれるような人というか熱心な人にとっては、自由折り曲げレールを板に犬釘で直留めするのが当然で、Nゲージのように既製品レールを組み合わせるのは、逆に特殊なことのようである。
今回、フレキシブルレールを急なカーブに無理矢理まげて、基板に押さえつけて犬釘でスパイク(留めること)したが、どうにも難しい作業だった。慣れるまでには時間がかかりそうだ。ただし教科書にかいてあるような罫書き(レール配置の曲線や直線をあらかじめ印す)はせずに、勝手気ままに曲げて釘で留めていったので、おもしろといえばおもしろい作業だった。
ともかくそういうわけで、今後は小さな基板にHOゲージレールを自由自在に貼り付けることは出来るようになったが、既製品レールを組み合わせて行く程には気軽ではない。レールは飛び跳ねるし、ニッパーで内径と外径とを切って調整したり、本当にいろいろな修練が必要になる。
京都のボークス・ホビースクエア店頭でシノハラというところのレールを4本(1m程度の長さ)買って2500円前後だから、高額ではないが、一本は腹をたてて棄ててしまった(笑)。曲げている間に枕木状のプラスチックが外れてしまって、もとに戻らなくなったからだ。あえなく700円程度を棄てたことになる。もったいない。ポイント部分は、シノハラとPECO社とを、一つずつ買ったが、噂ではこれは日本のシノハラによる相手先ブランドらしいので、同じ製品のようだ(?)。
写真の車両はどれもこれもMuBlogに過去掲載したもので、珍しい物は一つもない。広島市電のハノーヴァーにはDCCのデコーダ(CPU)を搭載しているので、細かな制御ができる。なお、自由レールは自由自在に曲げられるが、この基板だと半径30センチ以下の急カーブになるので、写真に載った車両以外は走行が無理だと思う。要するに車長が短く、2軸程度でないと、部分的に半径15センチ前後のこのレイアウトでは脱線する。
追伸付録
いつも記事にしている鉄道模型は線路幅が9mmのものでNゲージと呼ばれている。今度のはHOゲージとか16番と呼ばれる、少しやっかいな模型のタイプだが、要するに線路幅が16.5mmで、縮尺(スケール)も大抵は1/80~1/87である。ところが写真の明治時代の電車は1/45くらいの縮尺なので、だいぶ大きく見える。いわゆるOナローとか呼ばれる、On30タイプで、一回り大きな車体を、小さい16.5mm幅レールで走らせるものだ。
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