小説木幡記:ジオラマ・スペースの工夫
ジオラマと言われたり、鉄道模型のレール配置を主にして「レイアウト」と言われたりする情景模型がある。いずれにしても、発泡スチロールや石膏や紙粘土や塗料、色粉や砂で丁寧に仕上げていくと、面白いジオラマができる。しかしスペースを取るので、なかなか手を出しにくい。
実験室、工作室などを持っていないと、畳半分でも床や机上に置くスペースは限られてくる。たとえば、新聞紙を両面広げて自宅のテーブルにおくことが出来るだろうか? この世界での規格基板には60センチX90センチのものがあって、これが丁度新聞両面より一回り大きい平面になる。畳一畳とは、この規格板を3枚合わせた大きさだから、新聞紙両面開きを3枚合わせたものに近似である。
話を規格基板(新聞紙両面開き)にするとして、その大きさ(60x90センチ)は極小ではないが狭い。施設や模型店の店頭にあるレイアウトと比べると本当に小さい。たとえば2011年3月1日に開設予定の「トロッコ嵯峨駅」のジオラマは、広さが212平方メートル、線路延長約2700メートルというから、坪数で64坪、畳数でいうと倍の128畳敷きになる。ここに線路幅16.5mmのHOゲージ車両が走る。
規格基板だと線路幅9mmのNゲージモデルでないと走りにくい。カーブ半径が最大でも30センチ弱でないと60センチ側をはみ出してしまう。半径28センチだとNゲージ(通常は1/150縮尺)でも、長編成の新幹線とか、満鉄パシナという大きな車両だと、走りにくいものだ。
以前、この小さな規格基板上で、HOゲージ(16.5mm線路幅で、日本での縮尺は1/80)の車両を走らせる工作図書を見つけた(『HOゲージ:小型レイアウトの作り方』池田邦彦著)。そこで正月以来、余もくねくね曲がる自由レールを3mほど買って(1mで700円前後)実験を始めた。つまり、この世界になるとNゲージのように多様な規格レールを使う簡便さを離れて、自由に折り曲げるレールを使うことになる。もともとその方法が本道のようだが、規格レールの頑丈さに比べて扱いにくく感じられるのも事実だ。
ということで、今年は小さなスペースでHOゲージの車両を扱う元年になりそうだ。HOゲージは価格も割高で、レールも大抵は自分でゼロから設営する必要があって面倒だが、車両が大きくて扱いやすく、DCC対応も非常に優れている。またあたらしい世界に入ったようだ(笑:人から見れば、まだ同じことをやっておる、としか見えぬだろう脳)。
そうそう、京都に巨大なジオラマ(レイアウト)が出来る話だが、2011年3月1日が楽しみだ。葛野の近くなんだなぁ。
嵯峨野観光鉄道(ジオラマ)← この施設に関連して、2011年3月に国内最大規模のジオラマが開設されるとのこと。(きままに京都嵐山)
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コメント
はじめまして!「ジオラマ」という単語にひかれてきました。
弊店、細々とジオラマ専門店をやっておりますが、ご指摘の通り「大きすぎて置けない!」というお話はよく耳にします。
そこで、省スペースでもディテールに凝ったりストーリー表現ができるように考えたのが、白樺高原鉄道シリーズです。
http://www.sakatsu.jp/product/new/1193st0010.html
縮尺はいわゆるHOで表現や造り込みがしやすいようにしつつ、軽便鉄道の世界をモデルにすることで、狭い線路(Nの市販線路を利用)と小回りを利かせてスペースを小さくするようにしています。
あえて架空の世界にすることで、自由に改造、みなさんの解釈で気楽に楽しんでいただければと考えています。
お役に立てるか分かりませんが、ご参考になれば幸いです。
(不適切でしたらお手数ですが削除してください。)
投稿: さかつうギャラリー | 2011年1月17日 (月) 13時11分
さかつうさん
「白樺高原鉄道 山麓線ジオラマ」確認しました。ロマンチックな写真や模型構成だと思いました。惹かれますね。
ところで、最近Zゲージも少しかじりました。HO、N、Z、……。さらにそれぞれのナロー。条件によっていろいろ少しずつ触る楽しみがあります。
では、お店の、がんばってください。
投稿: Mu→さかつう | 2011年1月17日 (月) 14時01分