小説木幡記:2011/01/26(水)細部に秘密がある・ディテール
細部にこだわってばかりいると大抵森全体を見忘れて、全体の方向が狂ってしまうことがよくある。しかし実際の人生では細部がうまくいっていないと、どうにもやっていることの意味がぼやけてしまって、居心地も悪くなり、明日の百万円が霞んでしまって眼前の一万円に手を出してしまう。そこで、明日の百万円と今日の1万円とを大局と細部の比較にするのは、わりのあわないたとえになってしまうが、一応考えてみよう。
列車結合:カプラーに液体ゴム
余の関係図書館列車は大抵深山幽谷急坂急曲を走るので、ときどき列車間の結合が外れて、客車や閲覧車、書庫車が置き去りにされてしまう。細部は省略するが、アーノルド・カプラーという汎用性の高いもので結合しているのだが、以前はそこに液体糊、あるいはメンソレータム、あるいはタイガーバウムをなすりつけて、外れないようにしてきた。しかし液体糊は乾くとカプラーを固定化し、逆にカーブで列車転覆をまねくようになった。
そこで余は考えた。
現在の最良解は、液体ゴムを塗りつけることだ。これだと粘着を保ったまま、可動部分が動く。
墨攻:正月映画を今頃見た
正月にNHK・BSで放映された日中韓合作映画「墨攻」を今頃鑑賞した。何年か前に映画館で上映されたとき、行ってみたかったがそのままになっていた。今回木幡研でじっくり録画を見たが、「うむ、よかった」となる。
墨攻の原作は以前執心していた酒見賢一さんのもので、余はこれを一度読んでいたが、映画は映画で写実的な別の感動を味わった。
そこで髪型の細部に目がいった。梁の国王や王子の髪の後ろが内側にカーブしてまとめられている、実に不思議な髪型だった。なんとなく高松塚古墳に描かれた小太りの女性の髪型に似ていた。
こういう風な細部に気がついて、にやりとする。
ファイリングの穴の数
仕事柄、受講生たちが提出する分厚い冊子体の目録や報告書が多数机上に積み上がられる。これを一々読んでいくのが余の仕事なのだ(笑)。
さて、読むためにはページを繰らないと先に進まない。このとーき、ファイリングの穴数が細部を決定する!
下策は、二穴ものだな。これは作るにはパッチン一回ですませられる気楽なものだが、これが数十枚重なると、ページを捲るのが嫌になる。ちょっと手荒く扱うと破れる。どもならんファイリングだ。じゃ、4穴にしたらどうかとなると、2穴パンチの位置狂いでぐちゃぐちゃ(笑)。2→4穴の効果はほとんどない。
一番よいのは。
26穴とか30穴の多穴ファイリングだな。これは特殊なパンチが必要で、手間もかかるが、圧倒的に読みやすい。丁寧な和綴じか、多穴ファイリングか、どちらかしかまともな読みを可能にしない!
まとめ
というわけで日頃なにごとも「どうでもよろし」「勝手にどうぞ」「おすきなように」と言っているわりには、余は相当にこだわった生活をしているようだ。たとえば、砂糖は黒砂糖か粗目とかな。ヴィッツはRSとか~文庫図書は一に新潮社、二に講談社~とかな。いやはや、こだわりに意味はあまりない。
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