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2010年12月11日 (土)

小説木幡記:2010/12/11(土)非常識な、新卒採用ということ

Muimg_4525 余はずっと女子大学の先生をしているので、就職、とくに女性の就職について無意識にいろいろ考えてきた。無意識に、というのは建前とか世間体ではなくて、すこし根源的に、人が働くことについてつらつら考えてきたと言うことだ。そのレベルはなぜ働くのかという所まで降り立った考えである。

世間の常識と非常識
 ここで、世間の常識は常識として大切だが地域や時代が少し変わるだけで昨日の常識が今日の非常識になる可能性がつねにある。
 余は、つねに世間の流れとは、ちぐはぐな、ガラス窓を十円玉でこすったようなきしみ音ばかり立ててきた。
 大概は世間の方を非常識と眺め、つねに数年後は余の感じ方が常識になることの繰り返しだった、~。だから世間の常識はあてにならぬと、まず前提。

 もちろん、余と同世代、あるいは数歳若い、いわゆる企業や組織のトップの考えることが、常識的でまともで、あてになるなどと考えるのは、政府や政治家をあてにするのと同じくらい、危うい、きわどい、ことだよ。

就活:就職活動は多様であってよい
 次の前提は、余は社会人として普通の就職体験はしていないので、随分異なった見方をしておる。
 さらに、現代の若者は社会や医学や工学の進歩と変化によって、百歳まで普通に生きるだろう。しかし社会はそれにすぐに対応できず、相変わらず60~70で定年のままに違いない。ということは、これからの若者は40年間働いて、さらにその後で、40年間ほどこの世に元気に生きることになる。
 そういう中で「就職」を考えると、卒業して新卒で採用されて一社、一業種にずっととらわれて40年すごし、あとは何もない40年って、想像すると怖くないかな? いや、そういうことを味わう本人達よりも、そういう歪な社会システムを当然の「常識」と考えて動く社会は、遠望すれば、猿猿しく見えぬかな?

新卒採用主義
 企業は大学などを卒業したての若い人を採用したがるというか、世間は新卒でないと組織に組み込まない姿勢をかたくなに見せる。そして世の中は逆に「それではかわいそうだから、せめて2~3年間程度は新卒とみなしてほしい」と企業に働きかける。

 まず、どちらも「新卒採用」を根底においておる。
 そこが馬鹿馬鹿しいと言いたいのじゃ。
 なぜ新卒にこだわる!
 じゃまくさいから、若い内にまとめて大量刷り込みして、愛社精神を作ろうとか、……。隣の会社もそうしているから、我が社もそうしよう、とか。ろくでもない人たちが考えそうなことだよね。

新卒という歪な制度
 なぜそうなったのか、想像してみる。
 昔、世間の動きに反して大量の中途採用とか、大量の幹部社員ヘッドハントとかして、会社の大部分(というても、1割程度)が外様だらけになって、ついには会社が空中分解した。
 そういう虎馬がかつてあったのかな。
 という風に想像してみた。
 中途採用者にいくら言い聞かせても、以前いた組織の流儀を持ち出して「以前はこうでした」「こういう時にはこうするのが正しいです」と、頑固にいいつのり、会社のやり方を根こそぎ批判しまくるようになった。だから最初から子飼いの社員として育成し、社風を社員の人生に染みこますために、新卒採用至上主義に至った。

弊害
 新卒採用至上主義の弊害は山のようにあるが、余は、そういう歪なシステムを我が国が常識として取り入れて、金太郎飴のように、どこの会社も一緒にやっているというところに、怖さというか、意気地無しというか、愚かしさを知る。どうせそんな考えでは、どこの会社の新入社員も似たような者だけが内定をいくつもとって、外れた者は永遠にはずれたままになる~。

 企業と就職したい者との間に、信頼関係がまるっきりないシステムだな。新卒という制限に対応するために、一人で数十社もエントリーせざるを得ず、会社の方は山のようなエントリーに、選別の意志を放棄してしまっている。一時期に千、万のエントリーを、公共のインターネット・トラフィックを増大させてうけとっても、それを選別するだけのまともなシステムを各社はもっておるのかな?(笑) どうせエントリ時間や、履歴書なら呪術的な姓名・大学名判断でふるい落とすの邪弄(pig)。
 いやまてよ、密かに時間給700円くらいで大量の高校生バイトを採用し、その者らに履歴書を選別させておるのかもしれない。選別基準はただひとつ「かっこよさげな写真や名前」。

結論
 要するに、古来、理不尽な制限、縛りを使うような社会システムは歪で不幸で猿猿しているということを、余はいいたかった。新卒に限るなんてふざけた縛りを就活ゲームに組み込んだ元兇はどこにあったんだろう? きっとどこかの姑息で非常識なオジ・オバ達がない知恵絞って考えた結果なんじゃろう。それを全国的に使うところが、我が国の一時的強さであり、そしてそれこそが、国の長期的弱点なのだと、余は今朝つらつら考えた。

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