小説木幡記:2010/11/30(火)禁煙九ヶ月目に入るぞ
禁煙してから8ヶ月が無事すぎた。12月に入ると9ヶ月目になる。一年経過するとまず大丈夫という話も聞くが、最近葛野では3年禁煙してこの初秋に再開した業(ママ)の者もおるので、人のすることはあてにならない()。
タバコ神話は順逆を間違えているから発生する。
タバコは順逆不二ではなくて、順逆有理じゃ。
タバコを吸うからリラックスするのではなくて、タバコを吸うから、その一本がニコチン渇望症の引き金になるわけだ。吸うから、20分後に血中ニコチンが減少して、補給せざるを得なくなる。吸わなければ渇望症は収まる。本当だ。ただし、しばらく脳内にニコチン快楽幻想が残るから、禁煙に苦しむ。この「しばらく」は、人にもよるが、三日、一週間、一ヶ月、三ヶ月程度は継続してわき上がる。それを過ぎると平穏な日常が続く()。
禁煙鬱について。
脳内快楽麻薬の役割をニコチンが長期にわたり代替してきたので、自分の力で快感を生産できなくなったから、禁煙しニコチンを断つと、一時的に向上心、明るい未来感、幸福感が生まれなくなったにすぎない。
しかしよくしたもので、やがて元に戻る。人の心身機能は復元力も強いようだ。現在の余は、小説も、ドラマも映画もiPadもたのしめて近頃はなんと大相撲もおもしろくなった。そして葛野での人間関係も、仕事も、それなりに快の中で過ごせるようになった。ニコチンという薬物による刹那的な快楽感よりも、客観的に未来に快を味わえるように思える。
禁煙肥満については、これは急激だった。
一ヶ月で1キロ増化して、夏には見るも無惨な肥満を呈してしまった。これは友の過去事例もおしえてもらって、昼食を極力減らしたら、増化がストップして、逓減化に向かいだした。現在は最適体重+3キロていどなので、まずまず。
禁煙したとたんに、お小遣いは減額された。
実にクールな世界じゃ(大笑)。しかしタバコ値上がり前で、月に2万円弱、もし今も継続していたら3万円弱というタバコ経費は相当な負担じゃった脳。若い頃からの試算をすると、上等なスポーツタイプのベンツが買えた。もったいない。
タバコの代替物。
いまのところ、見あたらない。強いて言えば、じっくり読書するようになった。日常が軽くなった(タバコ、ライターの持参、喫煙場所の探索、喫煙が妥当かどうかの根回し~と、重い日々が続いた)ので、この世界に気持ちが正しくむくようになった。そのことで見えなかった世界が見えるようになって、喫煙時よりも快適になった。
かえりみれば余は約40年間の長期にわたり、世界をいびつに眺めてきた。その錯誤感はニコチンが脳に特殊なフィルターを掛けてきたのだろう。この頃は、元気感も悲哀感も寂寥感も、おおくの「感」がクリアになった、脳。
追伸
タバコを吸うと数分間で全身の血管が収縮し、血圧が10以上あがり、そして体温が下がる。毛細血管が詰まった状態になるのだから、体温も下がるわけだ。
こんなこと、よく40年間も続けたきたのう。ふむふむ。
だからこそ、近頃流行の無煙タバコ、かみタバコは、余にとってまるっきり意味をなさない。肺癌原因は遠のくが、血管に負担がかかることはまるっきり減少しない。
血管を縮めて脳や全身に酸素欠乏・窒息状態・酩酊をもたらしても~、そんなことはすべて嘘世界。
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