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2010年11月 8日 (月)

小説木幡記:2010/11/08(月)謀略の雑記帳

Muimg_6676 世間で生起する断片的な事件や事象を眺めていると、余も判断に苦しむこともあるし、判断できることもあるし、馬鹿馬鹿しく思うこともあり。時に感動する。この点で、生きていると面白きことも多々ある脳。

◎ひとつ、大罪と小罪
 尖閣諸島での隣国船の暴走激突事件ビデオの情報漏洩について、政府の人がTVで、「漏洩を肯定的に扱ったり褒めそやすのは犯罪の助長だ」、と怒っていた。
 この件について石原都知事は真っ先に「当然の内部告発でしょう」と言ったし、石垣島漁民達は日頃隣国諸国の船団による漁業妨害に腹を立てているので、国民がビデオ内容を見ることにより、諸国の横暴さや海上保安庁の勇気ある対処を知ってもらえて良かった、と新聞記事にあった。

 「徹底的に捜査する」と政府が息巻いているのは、国家公務員の守秘義務違反を刑事告発することらしい。他にDVDの窃盗(1枚100円以下だな)なども加わる。
 うむ。
 激しい公務執行妨害をし、修理費1000万円以上もする当て逃げ船長を逮捕して、そのままなんとなく無罪放免する大罪と、とってつけたような守秘義務違反を秤にかければどちらに傾くのだろうか。
 政府関係、検察関係者は、国家公務員が写した証拠物件(ビデオ)を許しもなく公開した罪を立証するために、「徹底的」に捜査するらしい。
 余などは漏れて当然、と思った。すなわち中国の故事を思いおこせば、天網恢々疎にして漏らさず、がぴったりする。「徹底的に」とは茶番にすぎない。徹底的になすべきことを冷静になすのが、マツリゴトなのだろう。

◎ひとつ、謀略
 このところ警視庁公安の外事資料が漏れたり、政府虎の子(笑)の尖閣ビデオが漏れたりで、世相は悲嘆や喝采や疑惑で悩ましい。
 尖閣ビデオは数時間の撮影のうち40分程度が漏れたらしい。もしこれが謀略なれば、いかなるミステリになるのか? 
 一つは、漏れていない部分に肝心かなめの映像があって、これだけは日中双方とも国民に秘匿しておきたい内容だった。これを国民に悟らせないために、あえて40分を漏洩(リーク)した。本質、核(コア)を隠し視点をそらせる手法だな。一般には逮捕状況場面と耳にするが、それ以外の可能性もある。もしそれが許し難い欺瞞なら、困ったことになる、脳。
 
 公安重要資料(特に関係者の詳細なデータ)の大量流失は、これこそ謀略ゲームの最たる物で、CIAやKGB関連ミステリでは多数の事例がある。データベースが公開されるとは、秘密捜査員や関係者を丸裸にして放り出したようなものである。
 極めて、ゆゆしい事件である。
 余もふと気付いたのだが、これは政府内部の国家破壊の前哨戦ではなかろうか。最近読んだ江戸川乱歩賞受賞作『沈底魚』は首相候補がスパイというテーマである。現在の世相が小説よりも奇なることにならないように、祈ろう。

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