小説木幡記:2010/11/04(木)雨中再会のNDK
このまえの日曜日、随分久しぶりにNDKの全メンバーが集まった。諸説あるが、全員集合は6年ぶりとか言うた先生もいた。毎回似た記録になるが、25歳だった二人の青年が48になっていたという長い付き合いだ。23年にもなるのか? そのうち十数年間は毎月会っていた。大阪の豊中の阪大の文学部の一室で論議し作業していた。そもそもは源氏物語別本の異同と索引を作ることだった。余の主な仕事は、5つほどの源氏物語系列の長文を比較しながら並記するシステム構築だった。その5つの本文は、句読点も段落もなく、永遠に文字がならんでいるというやっかいなしろものだった。今だと残念ながら、ゼロからプログラミングすることはできないだろう。修正はできても、そういうものをゼロから作るには気力が必要なのだ、……。
ああそうだ。今ある源氏物語の原本はすべて写本で、いわゆる作者と言われている紫式部さんの直筆はないようだ。その写本が幾つあるのかは余も知らぬが、印刷術が発達していなかった時代の物語だから、写した数だけ源氏物語が存在する。その全てが微妙に異なる。光源氏が女性だったというような内容の異本は耳にしていないが、あってもおかしくないほど写本間の違いが目立つものもある。
~
この日曜の昼食会は四条大橋のたもとだった。4階なので見晴らしがとてもよい。鴨川を挟んで南座の南東方向には五重塔が二つ見えた。清水あたりだ。
この店は以前、教授会忘年会があったところだが、余はその夜欠席したので、初めての店だった。普通の和食レストランと思っていたが、ウナギが特徴らしい。ところが大先生が、にょろりとしたウナギをお嫌いと知って、幹事も、紹介した余もいささか「しまった!」と凹んだ、なぁ。まあしかし別の先生の病気快癒祝いでもあったので、それぞれ品目を変えて、その場は収まった(笑)。余は錦糸鰻丼にしたが、意外にも細きりではなくて厚揚げ風のでっかい卵焼きがウナギの上に載っていて、美味しかった。他の方は懐石膳だったと記憶しておる。
食後に皆で阪急電車に乗って、余の研究室に寄ってもらった。というよりもそこが当日の会議場だった。いろいろ先生方にはお見せできぬ機材もあるので、余の研究室は施錠したままで、近くの屯所で夕方まで論議した。議事録や今後のNDKのプロジェクト推進についてはその夜のうちに幹事N氏がまとめてくれて、メールで添付された。今回も、なかなかに大きな企画になりそうだ。うむ、ふむ。
追伸
そうそう、若いお二人(と、言ってももうすぐ50~!!!)とも、MacBookAir(MBA)を購入されたよし。N氏は会議に持参して、見せびらかしておった。余は安物のiPadしかなかったので、知らぬふりをしておった。今回のMBAは1kgもあってiPadよりは重い。そんな重いものをカバンに入れて新幹線を月に何回も往復するだなんて、ふふふ。
~昔変わらぬ、NDK情景の一コマであった。人は変わらぬところもあるものよ脳。
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