NHK龍馬伝(39)馬関の奇跡:大政奉還の夢
今夜は第四章、つまり最終章の始まりでした。全部で10回分あるようです。大邸宅に住まいする岩崎弥太郎が新聞記者に「龍馬を格好良く描きすぎだ!」と罵声を浴びせています。落ちぶれたグラバーも書生のような雰囲気でそばに立っていました。三菱財閥の創世時代だったのでしょう。
さて。
ところが、私は岩崎が過去を語る場面になると、どうしてなのか涙腺が緩くなるのです。今夜も、龍馬をなじってやまない弥太郎を老いた母親がしかりつけます。「あなたは、昔の龍馬に義理がある。あなたは、なぜ龍馬が殺されていったかを、きちんと伝える義務がある」と、そういう内容でした。それを聞いた弥太郎は我をわすれて咆哮します。心の底からわき上がる叫び声でした。
ドラマだから、全てをセリフで説明してはいません。なぜ弥太郎が長く長く叫び続けたのか、理由はセリフではわかりません。またそんなことをしたら底の薄いドラマになってしまうでしょう。私が不覚にも落涙したのは、弥太郎の母親の言葉でした。そう、岩崎弥太郎だけじゃなくて、薩摩も長州も土佐も、そう日本も、龍馬に義理があります。その義理は深く、明治維新を成し遂げるために多くの関係者達が龍馬を生け贄にした可能性すらあります。維新政府樹立が確認されたとき、よってたかって龍馬を捧げ物にしたような幕末史でした。
龍馬伝の関係者(総合、演出、脚本……)達も、近世と近現代との狭間に坂本龍馬という男が生け贄として捧げられた、というような感覚でドラマを作っている気になってきました。
そしてそういう絵柄が、現在の私にはものすごくわかりやすく、悲しく、切々と胸に迫る模様にみえるから、だから涙してしまうのでしょう。
というわけで。
あっという間に終了しました。
幕府軍が門司で破れたのは、平氏が義経に敗れたのとは少し違いがあります。ふうてんさんが先週あたりコメントくれたのですが、ようするに長州は背水の陣、幕府軍は烏合の衆、そういうことだったのでしょう。小倉の小笠原家の名前はでなかったようですが、この敗戦、小倉城炎上はいささか評判をおとしたようです。
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