NHK龍馬伝(37):龍馬の妻:一所不在
今夜の龍馬伝は幾分ほっとした45分間でした。先回があまりに逼迫しすぎていて息が詰まりました。
で、感想としていくつか。
岩崎弥太郎と後藤象二郎
後藤は薩長同盟の密約情報を、岩崎弥太郎がどうやって得たかに不審を持ちました。弥太郎は龍馬からだったと白状します。当然後藤は「何故捕らえなかったのか」と怒り出します。岩崎は薩長同盟を仲介したのが龍馬であり、「吉田東洋様は、坂本龍馬を認めておりました!」と言い返すところが、岩崎の変化だと思いました。
史実では、今後龍馬と後藤象二郎は一種の和解をすることになりますが、どうなのでしょうか。
岩崎弥太郎は、この前後から、これまでの弥太郎とは変わっていくはずです。それも楽しみです。
龍馬とお龍
京都の薩摩藩邸で、お龍が龍馬を介抱していました。このごろ、お龍の人選(真木よう子)がベストだったと思うようになりました。きつい目つき、物言い。低いドスのきいた声音。きびきびした動き。ふっと垣間見せる美形の表情、……。なによりも声です。この場合、お龍が脳天から落ちるような声だったら、まるっきり雰囲気が壊れます。
こういう龍馬のような、瀕死の重傷を負った男を、山のような危険を乗り越えて救出に動き、数週間終夜そばにいて介抱するのは、お龍ほどの気力がないと無理だったと思いました。
あとで、長崎でお龍が気弱なところを龍馬に見せたとき、龍馬が「お龍でなければならない」という意味のことを言いましたが、納得しました。
お龍と長崎のお元
亀山社中に呼ばれて、お龍と社中の連中がいる座敷にきたお元は、お龍が「船宿で働いている」と言ったとき、なんとも言えない表情を見せました。楢崎(ならさき)龍の家は医師だったわけですが、おそらくお元が龍馬を内心あきらめていたのは、彼が武士だからでしょう。だから、龍馬が結婚するとしたなら、武家であって、自分のような芸者は、身請けしてもらっても妾(めかけ)であると、割り切っていたと思います。
この場合、長崎の料亭つとめと、京都の船宿勤めでは、身分に違いはなく、むしろお元からすると船宿は長崎の有名料亭に比べて格落ちすると内心思ったのかもしれません。だから、それなのに、龍馬が船宿のお龍を選んで、お元を選ばなかったのは、お元にとっては悔しいことだったのです。
ところで、お龍は龍馬にきつい声で言います。「あの人(お元)は、龍馬さんに惚れている」。龍馬はたじたじとします。そして弁解し、あげくのはてに、「お龍でも嫉妬をするのか」と、笑いをとろうとしますが、お龍はさらにきつい声で「当たり前です。女ですから」と、龍馬をにらみつけます。
このあたりのやりとりは、お約束とはいえ、それでもお龍の物言いと、お元のなめらかさに対比があって、際だって楽しかったです。
さて
高杉晋作が今夜も出てきました。
ただ、彼も維新を見る前に病死したわけですから、私は、さびしい思いになります。高杉さんのことは言及しないで、今夜はこれまで。
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