小説木幡記:2010/08/31(火)木幡記が連続するのは暑さのせいか
今日の帰り自動車TVでアナウンスがあった。「京都府京田辺市で38度c、全国一!」と。やけにうれしくなった。宇治市じゃないがすぐ近所だから、なんだか「郷党の誉れ」という感じでおもわず笑みがこぼれた。日本一だなんて、すてきじゃないか。そのうち、わが葛野も、「41度cで日本一、論文を書いていた老教授が熱中症で緊急入院」、とかでNHKニュースを飾ったら、よい脳
。
今日も終日葛野におったが、夏期論文が日頃にまして進捗停滞し、困り果てた。書きたくないと言うよりも、「何故、書かねばならぬのか」という根源的な問いに悩まされて脳。まあ、夕刻になっていろいろ転機があって、楽になったが。
それで例によって早朝から研究室におったが、合計で二時間ほど別室に行き、ジオラマを調整しておった。TOMIXのコンビネーションボードを8枚と、同寸法の5センチ厚発泡スチロールを用意し、来週から始まる課外活動の準備をしたわけだ。自由課題を与え、共通課題として「図書館(博物館)のある風景」のもと、30x60センチの小空間に各人のイメージを作ってもらうわけだ。すでに建物は、お好みにあわせて寺や旅籠やホテルや学校を用意し、それぞれを図書館と見立ててもらっている。最後はその各小世界(モジュール)をレール部分で接合することになる。(だから各板のレールの両端はそろえておく)
列車は、すっぴんのトーマス君だけにした。ポイント分岐もなにもない、ただただ大型の小判型レイアウトを、トーマスが走るわけだ。……。完成したころ、また写真を掲載する。
ところで。
すでに一週間も、最新の『写楽/島田荘司』が積んである。空海の下を読んで、夏期論文を書き上げて、ゆるゆると読むつもりだったが、一体いつになることやら。図書なんか買わないでおこうとおもったのに、書店にたちよると、ついつい重い図書がカバンに這入っておる(代金はちゃんと支払っておるぞ)。書痴という言葉があるが、そこまではいかないが、紙図書依存性の傾向はあるな。
そうだ。
今日は葛野で、必要なところだけだが、増鏡(古い岩波)を読んだ。作者は二条良基かもしれないと解説にあったが、さてどうなんだろう。世阿弥のパトロンになり、摂政関白太政大臣を何度も務めた権謀術策の政治的文化人にしては、……。それこそ、いまだに増鏡の一節、とくに藤衣の末尾あたりでは涙止めることができなかった。もし作者が二条良基なら、相当以上の人物だと改めて天井を眺めた(以前、世阿弥を調べたときに、良基の偉才を味わった)。
では明日も暑いだろうが、日本一の暑さを願って、がんばろうぞ。
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