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2010年5月 1日 (土)

鉄道模型のPC制御:(01)DCCの現状

 鉄道模型の自動運転をずっと考えてきた。理由は、いずれ「図書館列車の運行」について「物語」を必要とし、そのためには様々な列車(トロッコタイプや、二階建て図書館列車)を一定のシナリオにそって動かす必要がある。なんとか鉄道模型をPCのディスプレイ上で操作することはできないだろうかと、考えてきた。

 以前、ロボットを組み立てて、それをPCに組み込んだプログラムによって動かす実験をした。PCとロボットは無線で結ばれていたので、その技術と将来の可能性に心惹かれた。鉄道模型の場合は、無線で動かす方法(ラジコン方式)もあるが、ラジコンだと「人が、それぞれ直に操作する」というおもしろさと限界がある。コンピュータの可能性は、操作一式を記録しておき、それを再現することにある。プログラム内蔵方式といって、半世紀前にノイマン(達)によって実現された方法である。

 私の個人的体験では、30代のころプログラム開発に精魂をこめていたころ、並行処理をソフトウェアとしてゲームに応用することだった。どういうことかというと、キャラクター(ゲームの登場人物で、怪物や、主人公や、ヒロインなど数名)がそれぞれ自律的に並行してゲーム世界を動き回るという設定だった。利用者(ユーザー)は特定のキーを押下することで、特定のキャラクターに制御を移すことができた。たとえば、そのゲーム世界で最初は主人公として振る舞っていたのに、突然ヒロインになったつもりで世界を動くという、システムだった。もちろん、この間、他のキャラクターはそれぞれが属性にしたがって、自動的に動いている(ランダムにあるいは一定の自動制御の中で)。

 そういう経験から、他の技術進歩に合わせて、「未来の図書館列車」構想も、鉄道模型で実現するならすでに、それぞれの列車が自由自在に動き回る技術が確立していると、最初は想像していた。ところが、意外にも鉄道模型の世界は、ロボットほどには進んでいなかった。その事情は分かりにくいが、自由自在に制御することよりももっと奥の深い世界があるからだろうと、想像している。

 最近半年ほど、DCC:Digital Command Controlについて、インターネットや書籍で様子を確かめてきた。鉄道模型のディジタル制御とあるのだから、PCやマウスで制御するものだと思っていたが、そうでもなさそうだ。日本では、10年ほど前からメーカーが参加し始めたが、あまり普及していない。京都地区のいくつかの模型店をみてみたが、DCC関係のパーツ類を多種大量にそろえている所は、まだ見つけていない。普及しない理由はいろいろあるが、私の想像では、今のDCC(鉄道模型の電子制御)は、PCの黎明期、マイコンと言われていた時代、0~9,A~Fのボタンだけで、コンピュータを制御していた時代と、変わらないということに気づいた。

 DCCを本格的に使っていないので誤解があるかもしれないが、たとえば、列車を10台、レールのポイントが10カ所あると、その全部に数字で番号を割り振って、いちいち番号を呼び出しては、「9番のポイントを閉じろ」とか「この201番列車を止めろ」とか、わずかに10文字程度のディスプレイ上で、いちいちボタンを押して、操作する。もちろん、警笛を鳴らせとか、常時蒸気機関車の走行音で走れとか、楽しい仕組みもあるが、……。

 パーツがほぼ外国製ということもあり高額で、マニュアルが読みにくかったり無かったり(サイトの英語解説を読むことになる)、そして数字ボタン操作で膨大な指令を次々とこなす必要から、多くの愛好家達はげんなりしてしまって、ますますDCC化が普及しなかったのだろう。もっと事情があるとは想像できるのだが、いろいろな技術を取り入れたり、造ったりして、応用するのが上手な日本にしては、不思議な状況にあると言って良い。

 そもそも発端からして、鉄道模型世界は古典的な、アナログな、風格のある世界再現という側面があった。今のところ、ロボットに風格を求める趣向は、あまり聞かない。ロボットは徹底的にディジタルなものとして生まれたから、現状での求める世界が鉄道模型とは異なるのだろう。

 ともあれ私は、少なくとも、人工知能とまではいかずとも、列車のそれぞれを並行して、ディスプレイ上で自由に操作できる環境がほしい。いちいち番号で指示しなくても、もっとわかりやすく、制御できる方法を手にしたい。
 というわけで、さらにインターネットの世界に入り込むことになった。
 一応の解があった。
 そして少数の人たちは、すでに十分に楽しんでいることも、わかってきた。

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